昭和サラリーマンは「夢の一戸建て」と言って、新築マイホームを購入することが一つの夢・目標でした。
手持ちの現金だけでは到底無理なので、一般的にはサラリーマンのうちに住宅ローンを組んで購入することが当然・・・とされていました。
当時、言われていたのはだいたい次のようなことです。
〇 家賃を払い続けても自分のモノにはならない
〇 持ち家は財産になる
〇 インフレなので借金・金利は相対的に低くなっていく
〇 住宅ローンは団体信用生命保険付きなので、万が一に死亡したとしても残債がチャラになる
〇 独居老人になると賃貸住宅が借りにくくなる
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物価が上昇し、賃金も上がり、日本全体の人口も増えていた1950年~1970年代であれば住宅ローンを組んでのマイホーム購入は理に適っていたと言えます。
当時は「土地神話(土地の価格は下がらないという一種の迷信)」が常識とされていて、不動産価格の上昇を考えれば少しでも早く家を買っておいたほうが老後の資産にもなって安心だった・・・と言えます。
1.不動産価格はどうせ上昇していくので、借金してでも一日でも早く家を買ったほうがお得
2.全体的なインフレで借金負担が相対的に減少するので、ローンを組めるだけ組んでも怖くはなかった
そうした過去の事例を学びつつ、今後は果たしてどうなるのか?・・・を自分なりに考えることが大切です。
令和の時代は上記のようなことがすべて逆に回転している時代かもしれません。
そう考えると、昔の常識で物事を考えるのはキケンですし、むしろ「逆の発想」でいくくらいがちょうど良いと言えます。
今後、住宅ローンを組んで少しでも早くマイホームを購入する・・・のは果たしてアリなのか?
新築物件は誰かが購入した途端に「中古物件」になります。
とりわけ新築住宅には販売業者の利益が乗っかっていますから、中古物件になるとそれがいきなり剥落して軽く3割は価格が下落します(今、新築物件を購入して、すぐさまそれを売りに出すといきなり3割近く価格が下がる・・・)。
住宅の供給過剰は住宅価格の値下がりを引き起こします。
少子高齢化による人口減少は「値下がり」に拍車をかけます。
住宅供給が過剰になり住宅需要が減っていくと、需要と供給のバランスが崩れて、住宅価格が値下がりするのは当たり前のことになります。
「投資の借金は是、消費の借金は非」という基本を大切にしつつ、自分なりにいろいろ熟考したうえで「住宅ローンを組んで新築マイホームを買う」ことを検討することが重要だと思います。