「アベノミクス」という言葉は世間に定着していますが、そもそも何だっけ・・・
と聞くと、答えられる人は少ないのかもしれません。
1.大胆な金融政策
2.機動的な財政政策
3.民間投資を喚起する成長戦略これらによって持続的な経済成長を目指す
・・・というものです。
日銀の黒田総裁はインフレ状況を作り出すため「将来にモノの値段が上がると思えば消費者は今のうちに買ってくれるハズ・・・」という見解を示していました。
理論的には確かにそうなのですが、実際には人はそうした合理的な行動をしない・・・これもまた現実ですね。
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なぜアベノミクスが機能しなかったのか?
本質的な問題は低欲望の社会にあるのかもしれません。
供給をしてもそれらを欲しがっている人はそれほど多くない・・・ということです。
たとえば、インフレで将来の物価が上がると言われても、第1にそれが本当なのかどうかわからないし、その時になって考えればいいと多くが思っている・・・第2に今の日本人にそれほど「今(値上がりする前に)どうしても欲しい」と思えるものがそんなにない・・・ということです。
世界に目を向ければ、こうした金融政策が機能するところもあると思いますが、残念ながら今の成熟した日本社会では難しい・・・機能しない・・・ということなのだと思います。
ではどうすればいいか?
インフレを人工的に引き起こすことに意識を向けるのではなくて、「現状が正しい」という意識をもってむやみに経済社会を操作せず、見守る(=デフレを許容する)ことのほうが今は大事なのかもしれません。
物事はいつも「今起きていることが正しい(必然)」です。
それを意図的に変えるのは場合によってただの愚策にしかなりません。
労力はもっと他にかけることが望ましいとしたら、そこから順に周り巡ってやがてインフレとなるきっかけをつかめるかもしれませんし、そのほうがベターな方策かもしれないですね。