日本は少子化と高齢化が進行していて、そこに加えてコロナ禍での給付金バラマキが生じたので、今後ますます「税金の徴収額が増える」と予想されています。
現在10%の消費税だってさらに上がる可能性があります。
考えてみれば、日本で消費税が初めて導入されたのは1989年(平成元年)4月1日です。
今から32年以上も前ですから、今の10代や20代の人は生まれたときから消費税があるのが当たり前だったと思います。
30代~40代の人は記憶のある人とない人がいると思いますが、50代以上の多くの人は消費税がなかった時代も知っています。
消費税はいったん自分の財布に入ってきたお金(給料など)の中から支払うものなので、人間の心情としては「損をした気分」になりやすいものです。
また、一般的に人は「できることなら余計な支出は抑えたい」と思っています。
だから、消費税アップを人は嫌がりますし、何かと政治の駆け引きの材料に使われたりもします。
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同じように「相続税」も時代とともに徐々に引き上げられてきています。
それに合わせて、相続税をいかにして少なくするか?に焦点を当てた各種の節税方法が世には出回っています。
相続税がかかるから(徴収されたくないから)人はその節税を考える・・・としたとき、極端なことを言えば、「相続税を100%とする(=人が死ねばそのすべてが税金として徴収される)」とすれば、節税を考える大部分はカットされます。
それでも節税を考える人は「生前贈与」を考えるだけになります。
そして、どうせ相続税ですべて持っていかれるのならお金を全部使い切ろう/使わないと損だ・・・と思う人が増えても不思議ではありません。
むしろ、そうした傾向が強くなると思います。
同じように「相続税0%」でも同様のこと(=節税を考える人がいなくなる)が言えると思います。
まあ、実現可能か?と言えば、かなりハードルは高いと思いますが、「相続税100%もしくは相続税0%」は理論的にあり得る話です。
人は経済的に不合理な行動をとる生き物ですし、「損をしたくない」という気持ちのほうが「得をしたい」という気持ちより強く行動動機につながる生き物です。
今後ますますの高齢化、少子化、税収不足などを考えたとき、乱暴な発想かもしれませんが「相続税100%もしくは0%」というカードを切る議論を交わすことは大事になるかもしれないですね。