日本の「ドラえもん」にそっくりなキャラクターデザインを中国の会社が商標登録していたのを中国の裁判所が著作権侵害の判断を下した・・・というニュースを見ました。
もちろん、至極当然の結果であり、当たり前のことなのですが、従前あれほど海外の著作権を無視し続け海賊版を横行させてきた国ですから、ちょっと意外でした。
まあ、良い傾向だと思います。
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マンガ「ドラえもん」の中に、「未来小切手帳という道具を使ってのび太君が借金について学ぶ」・・・というストーリーがあります。
ある日、のび太君はどうしても欲しいモノが我慢できず、ドラえもんに泣きつきます。
ドラえもんはポケットから「未来小切手帳」を取り出してのび太君に渡しますが、これは「未来においてのび太君が受け取るお小遣いを言わば前借りして今使うことができるもの」でした。
そのため、数日後にのび太君がママから受け取ったお小遣い袋には1円も入っていませんでした。遊びに来たおじさんがくれたお小遣い袋も空っぽでした。
それらは、すでに未来小切手帳でのび太君が使い切っていたからです。この「未来小切手帳」とはすなわち借金のことを指しています。
借金とは「未来の収入を今使うための仕組み」です。
そこでは「未来に収入が存在していること」が大前提となりますので、究極的には未来の収入分までなら借金しても返済できる・・・と言えますが、逆に言うと未来の収入を超えた借金だと返済不可能・・・と言えます(正確にはこれに利息計算が必要です)。
だから、若いときの借金は未来の返済が可能と思われるので「借金OK」ですが、歳を取ってからの借金は未来の収入が期待できないので「借金不可」となります。
借金というのは表面的には「ないお金を手に入れる方法」に見えますが、本質的には「長い人生における収入のタイミングと支出のタイミングを意図的にズラすこと」だと思います。
したがって「ないお金」を手に入れようとする発想だけだと「ダメな借金」となりますが、このズレを活用しようとするのであれば「ダメではない借金」と言えます。
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「30年お金を貯めてこの不動産を買おう・・・」とするのは堅実で良いのですが、「30年あればこれだけお金が貯まる/稼げるから、それなら今借金をしてとりあえずこの不動産を買ってしまおう!」と判断するのが、レバレッジを効かした(=借金を利用した)不動産投資です。
そうやると、お金が貯まるのを待つのではなく、時間のズレを借金で調整することで投資利益を手にすることも可能となります。
のび太君は何も考えず、ただ目先の誘惑・欲に駆られて「未来小切手帳」を使いましたが、キチンと理解をしたうえでそうしたお金の道具を活用するであれば得になる手法だと思います。