投資をする人なら一度は聞いたことのある言葉「イールドギャップ」ですが、実は知っているようでカン違いをして理解している人も多いような気がします。
イールドギャップとは、「融資を受けて投資する際に、その融資があったおかげで稼げている金額が融資の資金調達コストを上回っているかどうか?を判断する指標」です。
極端に言えば「1,000万円を借りて1,500万円をトータルで返済するとき」、その借りた1,000万円のお金が総返済額の1,500万円以上を稼ぐことにつながっているかどうか?・・・ということです。
もし、つながっていなければその投資は失敗と言えます。
一般的には「利回り採算」で判断しますが、大事なのは「融資を受けた金額ではなくて、返済すべき金額(=元利合計金額)をもとに考えること」にあります。
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不動産投資でありがちなうまくない話としては、
1.表面利回り 5%
2.借入金利 3%
・・・という数字を並べて「5-3=2%」、イールドギャップが2%もありますから大丈夫ですよ~という悪質な営業トークです。
表面利回りで計算することに何の意味もありません。投資では常に「実質利回り」で計算することが大事です。
実質利回りは、表面利回りから管理費や修繕積立金や賃貸管理手数料や固定資産税を差し引いて、実質的に自分の手元に残るお金を基に計算することが大事です。
また、借入金利で計算するのではなく、その利率で借り入れたときの実質的な実質金利で計算することが大事です。
ちょっとややこしいですが、式で言うとこうなります。
イールドギャップ=実質利回り-実質金利(期間の概念を加味したもの)
実質金利は期間の概念を加えたJ%として下記の式で表されます。
J%=毎年の返済額÷その時点で想定される返済総額
つまり、実質利回りがJ%を上回っていないと、投資による儲けよりも資金調達コストのほうが高いということになり、結局「投資としては損をしている」ということになります。
それでは何の意味もありませんから、事前にシミュレーションをしてチェックしておくことが重要です。
イールドギャップの計算はややこしいですが、融資を受ける際には確認して、納得してから実践するほうがベターだと思います。