ある人が自分が借りているマンションの大家さんと話をしたとき、今まで考えたこともなかった事実に気づいた・・・そうです。
それは大家さんが言ったほんのちょっとした言葉でした。
その人が大家さんに「いつもお世話になっています」と挨拶をすると、大家さんは「こちらこそありがとうございます。このマンションはおかげさまでローンの支払いが終わっているので、皆さんから頂くお家賃で新しくローンを組んでもう一棟マンションを買うことができました」・・・と。
それを聞いて、その人はある種のショックを受けたと言います。
自分が毎月支払っている家賃が、大家さんの資産形成のためになっていたとは!
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考えてみれば、自分が支払っている家賃は自分の資産形成には全然結び付きません。
家賃を支払うことは、大家さんの資産形成に貢献しています。
私も高校卒業から結婚して3年目までの計12年間は家賃を支払い続けていました
(支払う相手先は同じではありませんが)。
そう考えると「今まで自分はどれだけ他人(大家さん)の資産形成に貢献してきたのだろう・・・」と思ってしまいます。
自分を豊かにするつもりで毎日働いていたのに、思わぬところで密かに他人を豊かにしていた・・・と言えます。
まあ、それは悪いことではないし、相互補助の意味ではすばらしいことなのですが、でも、もう少し自分を裕福にさせることを優先しても良いとも言えます。
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冒頭のその人は、この出来事を機に自分でもマンションを購入して大家さんになることを決意したそうです。
当たり前のことですが「家賃を支払う」の対極には「家賃をもらう」があります。
お金は「支出」よりも「収入」がまずは大切です。
収入なくして支出はありません。
収益不動産と呼ばれるマンションやアパートや一軒家や駐車場というのは、他人が持っている資本(お金)を家賃という名目で毎月、定額を、継続して、自動的に、集めてくれる一種の「器」のようなものです。
貸主は何もしていないのに、キチンと決まった日に収入をもたらしてくれているわけです。
貸主にとっては「自分以外の働き手」がいるようなものです。
誰かが借りている部屋は、貸主にとってはまるで「実の成る木(お金の成る木)」みたいなものです。
そこで得られた果実(お金)は、集荷されて蓄積されることで、また別の場所に種をまかれ、また果実をつける木になっていきます。
大家さんはこうした「仕組み」を持っている人であり、そして実はなろうと思えば誰にでもなれる職業です。
時間はかかりますが、なろうと思って行動を起こせばいつの日か必ずなることができます。
もちろん、そういう選択肢を選ばないという手もありますが、私は数年前にこの手を選択して実に良かったと思っています。