3月は多くの会社の決算期です。
この時期になると、今期の業績が思ったほど伸びなかった・・・売上や利益が上がらなくて困った・・・という声を多く聞くようになります。
そうした経営者の方にある質問をすると似たような返答が返ってきます。
業績不振の原因は何だと思いますか?
→他社の安売り攻勢がすごかったから
→大手が近くに進出してきたから
→他社の新商品が人気を独占したから
・・・など。
ここで見えてくるのは、原因分析をする際に「他社のことばかりに視点を向けている」ということです。
自社の問題点を洗い出すことをせず、自社が経営不振に追い込まれたのは他社のせいだ!
・・・といった一種の被害妄想的発想です。
言いたいことはわかりますし、事実そのとおりだと思いますが、他社を非難したり責任を転嫁しても、他社のことは自分ではコントロールできません。
自分でコントロールできないことをあれこれ考えても何も進展しません。
他社に自分たちの売上が奪われてしまった・・・と嘆くよりも、自社ビジネスの正当性、順応性、適合性を考えることが大事でしょうね。
政治の世界でも、自分の政党の主張が適切・正しいことを訴えかけることが大切なのに、専ら与党の揚げ足取りをして責め立てる人・政党があります。
与党の評判が下がることで相対的に自分の党が持ち上がることを狙っているのでしょうが、国民を尊重したやり方ではないと思います。
ビジネスも、他社を貶めることで自社が持ち上がるような手法は正攻法とは言えないと思います。
なぜなら、ビジネスは他社へ目を向けて行うことではなく、あくまでもお客さまへ目を向けて行うものだからです。
自社ビジネスの内容は何か?をシンプルに見直したとき、そこには他社という言葉は出てこないはずです。
「外部環境のせい・・・世の中の景気のせい・・・にしてはいけない」とは、よく言われる言葉です。
頭ではわかっていても現実的には実践できていないケースがよく見受けられます。
業績不振の原因を探るためには、
お客さま(ターゲット)選びは適切か?
販売商品の品質は価格と整合性があるのか?
欲しい!と思ってもらえるような特徴あるサービスを提供できているのか?
・・・などお客さま重視でとらえることが大事です。
全然お客さまを見ようとせず、単にライバル会社ばかりを見ていたら本当に業績が落ちていくだけで、ヤバいことになります。
どこを向いてビジネスをしているのか?を再確認してみる姿勢は重要だと思います。