会社内では、人によって目標が異なり、目指すゴールの難易度に差があります。
営業部で言えば、月間目標が100の人もいれば70の人も50の人もいたりします。
そのときに上の立場にある者が人事評価をするときに忘れてはいけないのは、その「目標達成率よりも実際に達成した量・額を重視することが大切だ」ということです。
20目標で20やった人と、100目標で90やった人とでは、前者は達成率100%で後者は達成率90%です。
このとき、目標達成率で言えば前者が優秀となりますが、会社への貢献や実際にインパクトある数字を出したのは後者です。
前者の社員を後者の社員よりも高く評価してしまうと悲劇が起きます。
後者の社員はモチベーションが下がり、会社に不信感を抱き、「だったら俺も次回から目標を50にしてくれ!」と言いたくなります。
実は私も現役時代よくそう思っていました。
他の社員の数倍の実績を挙げてもそもそも私の目標数値が他の社員よりも高いのでいつも達成率では負けてしまい、評価は低くされていました・・・。
マネジメントミスであり、一種のいじめであり、まあ都合のいいようにこき使われていたのかもしれません。
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たとえば、社員がボーナスをもらうとき、
1.前回査定の100%査定で、今回も前回と同金額の20万円のボーナス
2.前回査定の90%でボーナスは90万円
・・・といったとき、どちらが嬉しいか?
後者(90万円)でしょうね。
なぜなら、人はもらえる金額(絶対金額)で判断するからです。
前回との比率などどうでもよくて、気にするのは「実際にもらえる金額」だからです。
会社も同じハズです。
社員が会社にもたらしてくれた実際の量・額が大切で、率では1000%達成で40万円の利益をもたらしてくれた社員よりも、率では50%しか達成してくれなかったけど100億円の利益をもたらしてくれた社員のほうが大事に決まっています。
100億円の利益を会社にもたらしてくれた社員を低く評価して、40万円の利益をもたらした社員をもっと高評価していたら、その経営者は失格だと思います。
100億円の利益をもたらしてくれる社員が同業他社に転職したときに、いったいどう思うのか?
きっと臍(ほぞ)をかむでしょうね。
「率」はある意味では数字のマジックです。
大事なのは、
1.率と額(量)の両方ともにチェックして大切に扱う
2.あえて比べて言うなら額(量)のほうを重視する
・・・ということだと思います。