企業の目的は?・・・と言うと、答えは「利潤の追求と理念の実現」です。このときの「利潤の追求」というのは単なる「利益」を追い求めることではありません。
利潤というのは「利益」というよりも「儲け」に近い意味合いです。つまり、利益と利潤は意味が若干異なる・・・ということです。
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会計上は「売上-費用=利益」となります。
ところが、会計の落とし穴はこの売上と費用が完全には関連していないために、利益という数値は経理上の操作でいくらでも変動できる・・・ということにあります。
難しいことは省きますが、減価償却を少なめにしたり(あるいは多めにしたり)、今期の費用を来期に持ち越したり、在庫を水増ししたりするなどして「利益を変動させる」ことはできてしまうのが今の会計の仕組みで限界です。
「事業年度」という縛りがあるため、経営者や経営担当者は短期間(1年単位/四半期単位)で「利益」を計上しなければいけません。
でも、そのために実態とは微妙に異なる利益の数値が出てくる・・・ということが起こり得ます。それは企業の目的とすることではありません。
企業が目的とするのはあくまでも「儲けていく」ことであり、したがって「利潤を追求していく」ことにあります。
企業の目的は「会計上で操作された利益という数値を追求することではない」ということです。
利潤は「儲けたお金」であり、現代風に言うなら「キャッシュフロー」です。
黒字倒産・・・という言葉があるように、帳簿上の=会計上の利益だけではあまり意味がありません。
企業にちゃんと現金(お金)が残っていなければ利益は絵に描いた餅になってしまいます。また、これは家計でも同じことが言えます。
大事なのは「いつでも使える現金」がちゃんと手元にあること(残ること)です。
「利益の追求」ではなく「利潤の追求」であることをリーダーはしっかり認識することが重要だと思います。