日本人のクルーズ乗客数の推移をみると、2002年の約15万人から、2016年には25万人となり、そして2017年には30万人と増加しています。
生き方のスタイルが変化しつつあると言うかこうしたクルーズ旅行を楽しむ傾向は今後さらに伸びると思います。
近い将来に利用者数が100万人を突破することはそれほど難しくないと思います。
豪華客船の旅では、普段歩き回る範囲は船内に限られ、自分でたくさん運動をすることもできれば、さほど歩き回らないことを選択することもできます。
ある意味では、デッキに寝そべってボケ~ッとしていていても気持ちよく過ごせます。
のんびり過ごせることは、考え方によっては至福の時・・・かもしれません。
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残念なのは、日本人が乗っているクルーズ船のほとんどは、イタリアやノルウェーなど欧州系の豪華客船かアメリカ系の豪華客船だということです。
何が残念か?・・・と言うと、これら欧米系の豪華客船というのは日本人に「向かない」面が多々あるということです。
文化の違いからくるものです。
たとえば、欧米系の客船では「正装「フォーマル)」という概念が必ず存在しています。
私は結構これが面倒に感じています。
つまり、夜になると正装して食事に行くのが当たり前・・・という文化なのですが、日本人にとっては夜にドレスアップするより、逆に浴衣を着るなどドレスダウンするほうが馴染みやすいと思います。
分厚いステーキやキャビアやトリュフといった脂っぽい食事をお腹いっぱい食べて、その後ダンスに興じる・・・というのも日本人にはあまり向いていないと思います。
お風呂も大浴場で広々したものに入りたい、と思うのが日本人です。
今運行しているクルーズ船の多くは、そうした日本人のニーズを捉えておらず(まあ、欧米系の客船なので当然ですが・・・)、そうした点を改善すればもっと多くの日本人の集客が見込めるような気がします。
そのためには、一つは「日本の会社が造船をする」ことであり、もう一つは「欧米系の造船であっても日本人向けの対応を取り入れる」ことだと思います。
欧米の豪華客船とは違う、日本式の豪華客船で日本人らしいニーズを存分に汲み取ることができれば、さらにクルーズ市場は拡大するような気がします。
クルーズ旅行マーケットに、まだまだ大きな魅力があることは確かです。
一つはそのアピール力(宣伝広告力)、一つはソフト面でのおもてなし力、一つは料金や日数(時間)の休暇対応力が求められる市場ではありますが、私は今後のクルーズ旅行に大きな期待と関心をもって見ています。