経営者が目指すべきことの一つが「より良い会社つくり」です。
そのためには、財務スコア(決算書)を良くすることだけではダメで、職場環境や社内風土を良くすることも必要です。
財務スコアがどんなに立派な黒字経営であっても、それがしっかりとした顧客や社員の感謝の上に成り立っているものかどうかは財務諸表からはわかりません。
もしも社員や顧客の不満と恨みの上に成り立っていたなら、それでは永続的な経営は困難になります。
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NPS(Net Promoter Score=ネット・プロモーター・スコア)と呼ばれるアンケート調査の手法があるそうです。
社員にこんなアンケート(質問)をします。
質問1
あなたは、大切な友人に当社で一緒に働くことを勧めたいと思いますか?
【10点(満点)から0点(最低)で点数をつける】
質問2
質問1でそう思った最大のわけを書いてください
この質問を、毎年実施していきます。
基本的に回答は無記名式が良いと思いますが、筆記をさせると文字で誰が書いたか判明してしまう場合もあるので、質問2の回答は予め選択肢を用意しておいて丸を付けさせるようにするのも手です。
いずれにしても、人事評価には一切の関連を持たせないことを経営者は確約しておく必要があります。
結果は点数で計算します。
質問1で10点と9点をつけた自社の応援者の比率(%)-6点以下の点数をつけた隠れた批判者の比率(%)がどれくらいになるかがポイントです。
仮に応援者50%で、隠れた批判者が20%なら、点数は30ポイントというスコアになります。
毎年行うことで、このスコアの推移が明らかになります。
もちろん、スコアは高い点数のほうがベターです。
翌年にそうなるように質問2の不満点を解消し、満足感を与えられるように経営改善を行なうことが大事です。
応援者を増やして、隠れた批判者を減らすことが、経営陣の大切な活動目標にもなります。
これが「ネット・プロモーター・スコア=NPS」と呼ばれるものです。
ネット(正味)とプロモーター(応援者)とスコア(点数)で、自社の未来の行方を推し量るやり方ですが、それなりに効果はあると思います。
大事なのは、一度始めたら必ず毎年定期的に継続して実施することです。
自社の中に、自社の応援者が少ないのは情けないことですし、自社の応援者である社員を増やしていくことはすべての経営者にとって大切な責務の一つだと思います