会社経営に直接携わっているのは社長を中心とした経営陣ですが、広い意味でとらえれば社員全員が自社の事業運営に何らかの関与をしていると言えます。
大きな権限、つまり経営の決定権は経営陣にあるけども運営の関与権は社員みんなが有しているということです。
そうしたときに、あらかじめ会社がどういう方向へ行こうとしているのか、その行き先が見えているのと見えていないのとでは社員の本気度に大きな差が出ます。
当然行き先が見えていて、自分で自分の行動をコントロールできるほうが仕事はやりやすいものです。
そこで重要となるのが、経営方針を社長がキチンと社員と共有することであり、そのためには「経営シナリオ」を全社員が共有できる仕組みをつくると良いと言えます。
一番手っ取り早いのは、紙に落とし込んでそれを配布し、全社員がいつも携帯し、必要に応じて中身を確認できるようにしておくことです。
声で言っただけでは、人は聞いても忘れますからあまりうまくありません。
パソコンやDVDに入っていても、開いて見るところまでいくのは面倒なので、これもあまりうまくありません。
やはり携帯できるモノにして、いつでもどこでも「確認することができる」モノが良いと思います。
そうした「経営シナリオ」を事業年度ごとに作成し、毎年(毎期)更新、配布することで社風をつくりあげていくような会社は、組織力が強くなり、経営マネジメントもうまくいくと思います。
今年の事業年度はもう始まっているでしょうから、せめて9月以降の下半期で試行してみて、来年度から本格的に導入してみるのも一つの手だと思います。
もしも、自社にまだ経営シナリオを用意していないとすれば、夏休み?中に一考してみるのが経営者の「夏季宿題」になりますね。
そうした地道な努力が、社員の団結力や一体感を呼び起こす仕掛けになると思います。