サラリーマンというのは自分勝手な生き物で、入社するときはさんざん美辞麗句を並べて、何とか採用してもらえるように 「良いカッコ」をつけていますが、イザ仕事!となると思ったほどの貢献をしてくれない(≒使えない)ものです。
経営者側の視点で見れば、せっかく採用してあげたのに・・・とこちらも愚痴の一つも言いたくなりますし、反抗分子のような社員を放っておくことは組織運営上得策ではありません。
職場環境を改善するうえでも、問題があるのならきちんと解決を図ることが大切です。
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一番困るのは、上司であるリーダーの元にそうした部下の生の声、本当の意見が耳に入ってこないことです。
そのために後手に回ってしまうわけです。
そこで、リーダーは部下のネガティブな声を拾い、文句を言いたげな部下を逆に味方にすることも大事なマネージメントとなります。
具体体にはこんな方法があります。
社員と面談をします。
「どうも最近みんなの生の声が組織運営に反映されていないような気がするんだけど君はどう思う?僕が見えていないだけできっと何か問題があるハズなんだけど、それが何なのかわからないんだよね・・・。
問題があるようなら、ぜひ教えてほしいのだけど何かあるかな?」
・・・と水を向けます。
リーダーのほうから「何か問題があるんじゃない?!」と前置きしてくれているので社員は話しやすくなります。
「はい、実は・・・・・・」と話してくれれば、リーダーは決して途中で遮ったり否定したりせずに頷きながら(←ここ重要です )ノートをとります。
いわゆる傾聴の姿勢です。
一通り話した後に「なるほど、そうだったのか・・・その他には何かある?」と再度尋ねます。
リーダーは、とにかく忍耐強く否定・批判しないで耳を傾けることが大事です。
「なるほど、とてもいい話を聞けたよ。話してくれてどうもありがとう。今の話を参考にしていろいろ考えて見るよ」と前向きに話します。
社員にとって、自分の意見を否定しないでキチンと聞いてもらえたことはとても嬉しいはずです。
溜飲が下がるというか、もうこれだけでも気持ちがスッキリしていると思います。
しかし、これで終わりではありません。
一番大事な質問が次に控えています。
最後にリーダーは、こう切り出すことが最重要です。
「ところで、君もいずれ(orもうすぐ)管理職として皆をまとめていく立場になると思うんだけど、もし今君が管理職の立場だったらこうした今の問題にどう対処するかな?」
これぞザ・殺し文句!です。
社員にとっては、投げたはずのボールがいきなり自分に返ってきて、しかも自分は管理職候補として見られていると理解できるので、嬉しいやら困ったやら・・・です。
自分から言い出した問題の数々ですから、次期管理職候補としては無碍に「わかりません」とは言えないものです。
何とか答えを出そうと頭をひねります。
リーダーが求めていたのはまさにそこ!です。
今まで、文句を言いたげな社員だったのを一発逆転で味方につけ、文句と同時にその解決策まで引き出そうとしているわけです。
社員自身に考えさせ、語らせ、新たな発見を促すというソクラテス式のマネジメント術です。
傾聴と相手に語らせるという姿勢は交渉・商談・謝罪・マネジメントなどどんな場面においてもとても重要だと思います。