「黒幕」というと、決して表舞台には出てこなくて、でも、裏では大きな影響力をもって自分の思うとおりに何かを支配、コントロールしているようなちょっとダーティーなイメージがあります。
「黒」という文字と響きが、何となく悪いこと、強いことを印象付けさせるのかもしれません。
もともとの「黒幕」というのは歌舞伎用語で、舞台の展開が夜になったとき、黒幕を張って夜の場面になったことを表していたそうです。
また、舞台で死んだ人を消すときに黒幕で覆って、そのまま死んだ役者と一緒に舞台から退場したりもしたそうです。
黒幕は観客からは見えない存在であり、芝居を陰で支える大切な役割があったわけですが、いつしか、そこから転じて「舞台裏から多大な影響力を及ぼす興行主などの権力者」などを「黒幕」と呼ぶようになったようです。
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会社では、お客さまと直接接して現場の最前線にいるのはリーダークラスではなく、一般職クラスがほとんどです。
リーダーは、むしろ、そうした現場からは離れたところで部下のマネジメントを執っています。
だから、リーダーは一種の「黒子(くろこ)」であり、「黒幕」とも言えます。
仕事で何か功績が上がったら、その手柄は表で働く部下のものとして、リーダーは陰で支えているのだから自分の手柄とはしない・・・という姿勢が立派だと思います。
リーダー(上司)にはそれくらいの寛容さがほしいところです。
そのほうが組織はまとまります。
組織がまとまると、組織力をよく強く発揮できるようになります。
ところが、デキないリーダーというのは「自分が!・・・自分が!・・・」としゃしゃり出て、自分の手柄にしようと躍起です。
ちょっとみっともないというか、残念というか、恥ずかしいというか、人望を集められないリーダーだと思います。
リーダーになる前の段階(=非管理職)であれば表舞台で脚光を浴びることに光悦するのも良いのですが、リーダーになったならそうした表舞台からは一線を引く・・・という堅い意識を持つことも大事だと思います。