一般的に「お金を借りる」と、その後は「元金+利子の返済」となります。
着実に実行していけば、かならずどこかで全額返済が完了します。
ところが、ときには毎月々の返済が厳しくなり、貸し元と交渉をして「元金の返済は当面見送って、利子だけの支払いとする」・・・などという手法を用いる場合があります(通称、リスケによる返済額変更)。
金利分(利子のみ)の支払いですから、目先的には何とかなってもこれが続く限り元金の返済は残り、永遠に借金の完済には至りません。
その代わり、お互い合意の上のことなので破綻することもなく、また毎月々の支払額は相当少なくなります。
「支払額は減るけど、借金は永遠になくならない」・・・というのは果たして良いのか?悪いのか?
・・・・・・・・・・・・・・
たとえば、サラ金から年率12%(単利)で100万円を借りたとします。
担当者から「毎月の返済額は1万円で結構です」と言われ、そのとおりの契約をしたとします。
さて、この借金の返済が完了するのは何年後になるでしょうか?
答えは・・・・・・
→ 永遠に完済しない!・・・です。
年利12%(単利)で100万円を借りた場合の年間利子額は12万円です。
単利なので毎年12万円の利子が発生します。
毎月1万円の返済(支払い)ということは、1年間で12万円を返済することになり、したがってそれは「利子分の金額」です。
元金が1円も減っていませんから、この場合の借金返済シミュレーションでは永遠に元金が残ることになり、永遠に借金返済は終わらない・・・ということになります。
1年経てば12万円×10年=120万円を支払ったことになり、20年だと240万円、30年だと360万円支払ったことになり、元金は相変わらず100万円が残ったままです。
100万円の借金に対して200万円・・・300万円・・・といった総支払いをするのはかなりナンセンスな話です。
通常の借金に関しては、こうした返済方法を決してしてはいけないと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・
話は戻りますが、このように「金利分だけの返済」をしていると返済は一生終わりません。
でも、それは果たして本当にダメなことなのか?
おそらくほとんどの場合において「ダメなこと」だと思います。
その借金が、自分の快楽等を満たすためだけの消費・浪費に使われるのなら、100%「やってはいけないこと」だと思います。
ところが、この借金が「投資」のためのものであり、100万円を借金することによって生まれるリターンが年間で金利分をはるかに超える投資利回りになるのであれば、一考の余地はあると思います。
つまり、「やってはいけないこと」だったのが「やっても良いこと」に変わるかもしれない・・・ということです。
まあ、現実的には永遠に投資利回りが金利分をはるかに超える・・・となるものがあるとは思いにくいですし、借金が死ぬまで(死んでも)残るというのもちょっと気味が悪いものです(相続放棄という手で相続人に迷惑をかけないようにもできますが・・・)。
したがって、言えるのは「とにかくこうした勧誘には気をつけましょう!」ということかもしれませんね。