多くの人は「銀行はつぶれない」という想定をしていると思います。
銀行もただの株式会社の一つです。
他の株式会社がそうであるように、自社の利潤追求を目指して経営者は経営を行っていますが、現金残がマイナスになって資金繰りがつかなくなれば銀行だって倒産します。
理論的には銀行も潰れる可能性はあるということで、実際にかつて日本長期信用銀行、日本債券信用銀行といった東大卒の履歴を持つ人でなければ入社できないような採用ハードルの極めて高い日本を代表する大手銀行ですら、倒産したことがあります。
北海道拓殖銀行という上場企業が潰れたケースもあります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
銀行の倒産時に預金者のお金を保護するために「預金保険制度」というのがあります。
預金者一人あたり1000万円の元金とその利息分まで保証する・・・というものですが、これは現存する銀行が自行で預かっている預金に対して0.084%の金額を毎年預けることで成り立っているようです。
ところが、その預金保険の残高は約1兆6800億円(平成25年度)です。
約1兆円と言うのが多いのか少ないのかすぐにはピンときませんが、たとえば三菱東京UFJ銀行の預金残高は114兆円以上もありますし、三井住友銀行もみずほ銀行もそれぞれ86兆円以上あります。
そうした点から見れば、すべての銀行預金を補うにはとても足りない額だということがわかります。
もしも、これらの銀行に何かあって預金保険機構の出番になったとしても、とても対応しきれるレベルではないですね。
まあ、そうならないことを願っていますが・・・。
言えるのは、預金保険制度とはあくまでも規模の小さな銀行の経営破たんを想定しているもの・・・だということです。
お金を銀行に預けておくことにはいくつかメリットはありますが、所詮得られる利息はスズメの涙・・・程度ですから、一つの考え方としてはあまり多くのお金を預け過ぎない、というのも手だと思います。
不如意にお金が必要になると想定したとき、銀行から引き出したくても引き出せない状態になるリスクを勘案しておくことも大切です。
解決策は、手元にある程度まとまったお金を置いておくこと・・・生活費を手元に確保しておく・・・ことでしょうね。