金銭的な老後の蓄えのない人や、そもそもお金を貯めることを軽視している人は、「そんな先のことを考えても仕方ない」とか「その時になったら考える」とか「何とかなる」・・・などと言います。
それもまた一つの発想としてはアリなのですが、そう言っていられるのはせいぜい20代もしくは30代前半くらいまでです。
人生100年時代になってきた昨今では、やはり「長生きしないリスク」よりも「長生きした場合のリスク」を考えることが大切で、30代後半ともなれば真剣に考える必要がありそうです。
サラリーマンは定年退職後の人生だけで約35年ほどあるわけですから、その間の生活費や医療費などを考えると、「何とかなる」というほどお金の準備というのは甘くないと思います。
貯蓄や資産のないまま老後に突入したら、自分の生活パターンが一気に変化することに大きく戸惑うでしょうし、慌て困惑することが目に見えています。
少額で心もとない年金をあてにするしか手はなく、好きなこともできず、ただただ命を長らえているだけの老後人生になってしまうのがオチです。
もし、それまで(現役時代)と同様の生活パターンを望むなら、結局は高齢になってもどこかで働き続ける選択肢しかなく、でも、その選択肢を見つけることはかなり困難になるので日々の心の余裕が削られていくと思います。
歳をとって生きていくうえで大切になるのは、
1.健康
2.経済的余裕
3.人間関係
が主です。
この3つに集約されると言っても過言ではないと思います。
面白いのは「お金がすべてではない」けども、「お金があれば上記3つのことはほぼ解決できるであろう・・・」ということです。
「お金」が解決すれば他の2つの問題も解決する可能性が高いというわけです。
定年後、「働かなくなった途端一気に収入がゼロになった」・・・というのは、かなり怖いことだと思います。
それを恐れて、虎の子である退職金を慣れない投資に注ぎ込み、挙句の果ては投資のつもりがタダの「投機」になってその結果数年以内に老後破産に陥った・・・では目も当てられません。
老後破産を起こしてしまう人の中には「投機で失敗した」というパターンの人も多くいると言われます。
それは、きちんと投資の勉強もせず、お金の正しい知識も情報も持たず、仲間もいなければ人脈もない状態の中で投資・投機に手を出したからに他なりません。
お金の不安からかえって冷静な判断力を失い、それまでだったら決してひっかからなかったであろう美味しそうな儲け話に飛びつく・・・という行為が背景にあるのだと思います。
そうした不幸な未来を回避するためにも、現役時代のうちにお金の教養を身につけることを意識して、実際に何らかの行動を起こして取り組むことが大事だと思います。