「人は内容より外見で判断しがちである。
人は誰でも眼は持っているが、洞察の才を持っている者は稀である」
・・・とは、 マキャヴェリ(イタリアの政治思想家)の言葉です。
そのとおりだと思います。
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隣の芝生は青く見える・・・と言いますが、人は自分が手に入れたモノより手に入れていないモノのほうが価値が高いのでは?という錯覚を起こしてしまうときがあります。
学生の採用内定/中途採用者の採用内定でもよくある話です。
志望していた会社で採用内定が出た後に、まったく関係のない他社の採用面接・試験を受ける人がいるのもそうしたことの表われです。
なぜ既に他社で内定しているのに別の会社を受けるのか?・・・と聞けば、「他社の採用サイトを見ているうちに、もっと自分に向いている会社があるのではないかと思ったから・・・」という回答が一番多いそうです。
確かに企業の採用サイトやホームページを見ると、学生のご機嫌取りのようなものが多かったりして、当社に入ればこんな楽しい社会人生活が待っていますよ~とアピールしています。
自社の良い部分をアピールすることは大切ですが、事実と違うことや誇大表現で応募者を騙すような(ひっかけるような)誘い方をしているようならちょっと問題です。
その結果、母集団は多くなりますが自社の理念や価値観に合わない人を集めてしまう恐れもあります。
また、仮に採用→入社となっても数年たたないうちに「話が違う/思っていたのと違った」という理由ですぐに辞めていくケースが後を絶たなくなります。
採用にあたっては母集団の数ではなく質、つまり理念(価値観)に共感した形成が大切です。
会社組織全体を強くするには、入社時から社員たちが理念を共有していることが大事です。
理念に共感できない/反感を持つような社員が入ってきても意味がありません。
足を引っ張られるだけです。
みんなが同じ方向に向かっているからこそ仕事に前向きになれるし、何かあっても助け合ったり、どのように支えあえばもっと強くなれるのかもわかり得ます。
企業の人材採用というのは、優れた能力を持つ人を探すことも大事ですが、「同じ方向を向く仲間/同志」を見つけることはさらに重要です。
うわべだけの募集に陥らないよう、採用担当者は本質を忘れないことが大事だと思います。
また、冒頭のマキャベリの言葉のように、稀にしか持っていない洞察の才を持っている応募者を採用できるよう尽力することも大事だと思います。