大工さんなどでは「親方(おやかた)」という表現がよく出てくると思いますが、この「おやかた」という言葉の語源は結構意外なところにありました。
歴史ドラマのテレビ番組では、たとえば豊臣秀吉が若いころに織田信長を「お館(おやかた)様」と呼んだりするシーンが出てきます。
武田信玄も家臣からそう呼ばれていたりします。
これは別に主人がいつも館(やかた)に住んでいるからそう呼んでいたわけではないようです。
聞いた話ですが、室町幕府の免許制のなかに「屋形号」というものがあって、幕府から公認された公家や武家ことを「屋形(やかた)」と言ったそうです。
今でも「屋形船」などの呼称にそれが残っているようですが、その主人のことを「お屋形様」と呼んだところに「おやかた」の語源があるそうです。
その後、漢字だけが別のモノに充てられ「お館様」や「親方」となった・・・とか。
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東京オリンピックのスポンサー契約を結んだ会社も一種の公認を受けて他の会社には認められなかった立場に就いたわけで、昔風に言えば「屋形(やかた)」です。
そんな「おやかた」の中に不正行為をしていたところもある・・・とは何とも残念な話です。
他には認められなかったことを認められた・・・とか、他は持っていない何かを持っている・・・という立場の人や企業はその権限でやりたいことができるようになりますが、一方でその責任を負う必要もあります。
権限と責任というセットで捉えておくことが大事ですし、それが守れないようならその立場に就くことを夢見てはいけないですね。