社員には「やる気のある」社員と「いる気のある」社員がいるように思えます。
「やる気がある」ということは文字通り「行動をする/仕事をする」という意識が前提となっていて、一方で「いる気がある」ということは「所属する/組織ぶら下がる」という意識が前提となっています。
前者は「仕事を頑張って成果を出して貢献しよう」という気持ちがあるわけで、主にビジネスマンに多くいます。
後者は「会社にぶら下がって給料さえもらえればそれでよい」という気持ちなのでサラリーマン意識の社員です。
意識が顕在化しているかどうかは別として、そういった二つの相反する意識からスタートしているので、仕事上の行く末も別々の方向に向かっていきます。
どちらも採用時にはわかりません(判別できません)。
また、最初は前者だったのに何らかのことが原因で後者になっていく人もいれば、逆に後者から前者に転じていく人もいます。
上司・管理職は自分の部下・社員が前者でいられるようにマネジメントをすることが必要ですし、決して後者のような社員を野放しにすることもないようにすることも大事です。
極端に言えば、「いる気」だけの社員は早めの対応/一掃が必要です。
腐ったリンゴは他の果実をも腐らせるように、ダメサラリーマンはどこかで見切りをつけないと他の社員にも悪影響を及ぼしかねません。
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ある生命保険の調査で社会人1~2年目の男女に聞いた「先輩に言われたら、やる気を奪われてしまうセリフは?」というアンケート調査があります。
それによると、こんな結果だったそうです。
1位「この仕事向いてないんじゃない?」(31.0%)
2位「やる気あるの?」(25.5%)
3位「ゆとり世代だなあ」(23.7%)
4位「私が若いころは◯◯だったよ」(22.9%)
5位「そんなことは常識でしょ」(18. 2%)
総じて言えるのは、どれも1~2年目社員の現・適正を否定しているセリフに聞こえます。
人格否定とまではいかないまでも、若い社員の存在や行動や考え方を頭から否定し、あたかもそれらが悪いこと・間違っていることだと決めつけているような感があります。
意欲を認めない/世代でひとくくりにしている・・・などといった十把一絡げの発想で自分を正当に評価してもらえていない・・・と若い社員は感じるのかもしれません。
先輩社員の何気ない一言で入社間もない若い社員のモチベーションが下がり、意欲を失わせてしまうとしたらもったいない話です。
なぜなら、先輩社員はあくまで先輩社員であって、その若い社員の人事権を持つ管理職・リーダーでもなければ、その会社を経営している社長や役員でもないからです。
他にも
「前にも言ったと思うんだけど?」(14.0%)
「ちゃんと考えたの?」(13.3%)
といった知識不足や能力不足を指摘するような言葉を浴びせるのもモチベーション低下の一端となっているようです。
逆に、仕事で失敗したときや落ち込んでいるときに先輩に言われるとやる気に火がつくセリフは?
というと、
1位「君がいて助かった、ありがとう」(43.0%)
2位「本当によくがんばった」(30.7%)
3位「何でも相談してね」(25.8%)
4位「一緒に乗り越えよう」(24.8%)
5位「よくそこまでできたね」(17.5%)
などだったそうです。
感謝の念や共感や存在肯定などがやる気を高めてくれるようです。
さもありなん・・・ですね。
こうやってみると、別に特別な言葉ではなく、誰もが言われて嫌な言葉は誰もが嫌だし、誰もが嬉しく思える言葉は誰もが嬉しいということが言えそうです。
「やる気のある社員」を少しでも多く増やしていくことが組織運営では大切になります。
先輩社員や上司の立場にある人の日々の行動に少しでも役立てば幸いです。