罪を憎んで人を憎まず・・・という言葉があります。
とても倫理観の高い発想で、一つの美学だと思います。
たとえば、自分の子どもがまだよちよち歩きをしているくらいだと、親は子どもの周りにガラス細工の高級品を置こうとはしません。
子どもの動線上にそんなのがあって、もしも子どもがぶつかって壊してしまっても、子どもを責めるわけにはいかない・・・とわかっているからです。
テーブルの上に水を入れたコップを置いて、子どもが誤ってコップをひっくり返したとしても、子どもを責めたりはせずに、そんなところにコップを置いた自分を責めると思います。
ところが、子どもがどんどん大きくなるにつれ、同じことが起きると子どもを責めるようになっていきます。
人間の悲しい?性(さが)でしょうね。
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会社でも、部下が何かミスをしたり失敗をしたときに、部下が新入社員であればある程上司は許容して受け止めますが、入社して年数が経てば経つほど部下を責めたてます。
ここが踏ん張りどころかもしれません。
部下という人を責めるのではなく、「そうした事態を招いてしまった社内の仕組み」を責める気持ちが欲しいところです。
これが「人を責めずに仕組みを責める」という発想です。社内の仕組みを作るのはリーダーである自分の仕事です。
仕組みを作るにしても完全完璧なんてありませんから、必要に応じて改善工夫を繰り返していくことが大事です。
部下がミスをしたり失敗するのはもちろん部下自身の能力不足・人間力の低さにも原因はありますが、大枠では「社内の仕組みに問題があったから」・・・です。
そうでないとしても、そうだ!と思うくらいの姿勢がリーダーには必要だと思います。
罪を憎んで人を憎まず・・・の精神でリーダーが部下マネジメントを行なうことで、ひいては部下の成長→会社の発展につながっていくと思います。