上司の立場にある人には必ず部下がいます。
部下がいるからこその「上司」で、上司という言葉は部下から見た言葉と言えます。
部下を持っている上司としては、部下のことを知らなければ務めを果たすことはできません。
私が以前勤めていた会社では、部下の名前を言えない(知らない)というとんでもない上司がいましたが、こんな上司は論外でそもそも管理職の立場に就かせてはいけないジンザイ(人罪)です。
上司は毎日とは言わなくてもそれに近い頻度で部下と何らかのコミュニケーションを図る必要があります。
多くの会社では「日報」というツールを使ってそれを行なっているかもしれません。
日報も適切に使いこなせばかなり有効です(日報を使いこなせている上司をほとんど見たことがありませんが・・・)。
上司自身の業務日報には、毎日部下とどれくらいの時間を会話したか?などをメモしていくと良いと思います。
自分なりの傾向が見えてくるはずです。
部下と会話した時間をメモするだけですが、ちりも積もれば・・・で、1か月・・・3か月・・・と積み重ねていくことで毎日の就労時間のうちどれくらいの時間を部下とのコミュニケーションに充ててきたかを窺い知ることができます。
きっとその短さに驚くことでしょう。
驚くほど部下との対話に時間を割いていないことに気づけると思います。
1週間の中で部下とコミュニケーションを取った日にちが2日以下だとか・・・、あるいは1日もない!という上司もいるかもしれません。
まあ、ここで大事なのは、1回あたりの時間よりもそもそもの回数にあります(単純接触の法則)。
どれくらいの時間や回数を部下とのコミュニケーションに割くと良いか?・・・という明確な答えはありません。
はっきりとした数値はないものの、せめて週の半分以上はそうした機会を設けているのが望ましいと思います。
時間数は1日当たりで3分~1時間くらいだと思います。
「部下を育てたい!」と本気で思うのであれば、誰から何も言われなくても当然部下とのコミュニケーションの場を設けているハズですが、「育てる」という意識が希薄な上司だと単に面倒くさいといって業務放棄しているかもしれません。
「忙しい」「時間がない」などと言い訳をして、部下と接することを避けている上司も多くいるような気がします。
上司は組織の一員としてたまたま部下を預かっているだけですが、人事権を有していて、かつ指揮命令権を有しているのですから、その責任と権限に対する義務を全うすることが求められます。
場合によっては部下が個人的に目指している方向を知り、可能な範囲で応援をしてあげることも大事です。
部下に共感して応援してあげる・・・という態度を忠実・誠実に示せれば部下だって自ずと成長するレールに乗ってくると思います。