私自身も含めて、ほとんどの人は物事を先延ばしにしてしまう・・・という特性を持っています。
悪習慣だと思うのですが、先延ばしにすることによって「今すぐ辛い思いをせずに済む」という効果があり、また、過去の経験で「結局何もしなくても済んだ」という実体験を持っているために人はなかなかこの特性を打破できません。
今すぐにやらなくても特段すごい悪影響がないのであれば、「まあ今度やろう」とか「そのうちにやるので良いだろう」と、いろいろな言い訳を自分なりに作って物事を後回しにしてしまいます。
どうでもいいことならともかく、重要なことまで先延ばしにするのはマズイのですが、サラリーマン意識が強い人の中にはそんな過ちさえ犯してしまう人がいます。
その結果、「あーあ、あの時やっておけば良かった」と後悔したりします。
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こうした先延ばしを防ごうと「自分で締め切りを決める」という対処法をとる人がいます。
「〇月△日までにやる!」と自分で締め切りを決めるやり方です。
ところが、心理学や経済学の研究によれば、そうした自分で締め切りを作る方法はあまり有効ではないそうです。
自分で締め切りを設けると、締め切りがないときよりもかえって先延ばし癖が悪化しやすい・・・という調査結果もあるそうです。
不思議なのは、その原因・理由のすべては専門家も解明できていないということです。
一説によると、自分で決めた締め切りは自分で好きに変えられるので焦るばかりで効果が薄いとか。
では、どうしたら先延ばしが対処できるのか?
もうここまで書いたら懸命な人はピン!ときていると思いますが、その答えの一つは「(自分ではなく)他人に締め切りを決めてもらうこと」です。
「〇月△日までにやってください」と他人が締切を設けると、人はそれを守ろうとする意識が強く働くために先延ばしが激減します。
いろんな調査結果でその有効性が示唆されています。
先延ばしを防ぐという意味では「他人を巻き込んだ行動計画」を設定すると良いと思います。
また、その逆も然り。
誰かが何かを達成したいと願うなら、その締め切りを私が決めてあげるようにすれば良いと言えそうです。
「△日までにやってください(やりましょうね)!」と決めてあげるわけです。
世の中には、こうした他人が決める締め切りを嫌がる人もいますが、そういう人は結局いつも物事を先延ばしにする傾向が強く、なかなか達成する成功体験を持っていない人かもしれません。
先延ばしにして有効な場合よりも有効ではない場合のほうが多いことに気づき、自分の人生を自らの意思で変えることを是とする勇気を持つことが大事です。
そのうえで人生を変えるきっかけとして、「先延ばしを止める/辞められないときは他人に締め切りを設けてもらう」という手法をとってみると良いと思います。