以前、ホリエモンこと堀江貴文氏がライブドアの社長をしていたころ、プロスポーツ球団やテレビ局の買収騒ぎがありました。
そうした中で、三木谷浩史社長率いる楽天がライブドアの対抗馬(競合他社)として乗り出してきたことがあります。
そのとき、堀江氏はマスコミに「どうとらえているか?」と聞かれ、「想定内です」と答え、一種のカラ元気とも取れる予想外の態度をマスコミは大きく報道しました。
一時的に「想定内」という言葉が流行りました。
時代が過ぎ、今は、むしろ真逆の「想定外」という言葉が連日マスコミを賑わせています。
「新型コロナウイルス」関連のさまざまな事象に端を発してします。
専門家含め、いろんな人が「今起きている目の前の出来事・事象」に対して「想定外のことが起きている・・・」と言っています。
確かに、この世に生きていると、人は「想定外」のことにたびたび遭遇します。
「まさか!こんなことが!・・・!」と驚き、右往左往したりします。
でも、「想定外」というのは本質的には「自分の能力不足、自分の先見力不足」を自ら認めていることであって、組織のリーダーが軽々しく口にすることは望ましいことではありません。
兵法的に言うと「リーダーは驚いたら負け」・・・です。
リーダーは、驚いても驚かない(ふりをする)くらいの冷静沈着な態度をとることが大事です。
なぜなら、それがみんなを安心させることにつながるからです。
集団・組織を指揮するリーダーの姿勢としては、「想定外」という言葉をやたら用いることではなく、むしろ「(ウソでも)想定内だ」と虚勢を張るくらいの心がまえが必要だと思います。
そうした意味では、前述の堀江社長(当時)が(仮にカラ元気であったとしても)「想定内のことです」と答えた姿勢は立派だったと言えるかもしれません。
トップは常に沈着冷静であれ・・・です。
想定外のことを想定内にしておく「事前の考慮/先見力」を持つことは重要です。
仮に、今苦境に陥ったとしても、それを「想定内だ」と自分自身に言い聞かせ、そこから瞬時に次善の策を講じる意識を持ち続けることがリーダーには求められると思います。