日米間の10年国債金利に2%の差があると・・・

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世界を股にかけてお金の運用をしている、いわゆる「機関投資家」と呼ばれる大手投資家は、その運用の一つに「国債」を組み入れています。

そうした機関投資家は基本的に長期投資を心がけているので、短期売買で利ザヤを稼ぐことよりも長期保有で利息等の安定的な収益を求めます。

たとえば、日本とアメリカの国債を買うときは、その利息(金利)差に着目して、当然利回りの良いほうに投資しようとします。

今は、日本の国債よりもアメリカの国債のほうが金利(利息)は高いです。

仮に、日米間の10年国債金利に2%の差があるとしたら、単純計算で2%×10年で20%分の金利差が取れます。

ただし、現実的には「神の見えざる手」が作用して、その金利差を埋めようと為替が円安に変動します。

1ドル=100円が均衡ラインだと仮定すると、20%分に相当する120円の円安に為替は近づいていくわけです。

もしも金利差が3%あれば、130円を目指す為替の動きになります。

まあ、あくまでも単純計算上の話ですが、言えるのは「日米の長期国債の金利差が広がれば広がるほど、為替は金利の高い国のほうが強くなる」・・・ということです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

トランプ大統領は「強いアメリカ⇒減税政策」を標榜しているため、かつて同じ方針を打ち出していたレーガン政権のときと比較されたりします。

ロナルド・レーガン大統領が誕生したのは1980年で、当時の為替レートは1ドル=226円台でした。

それが就任後、わずか2年で249円台まで23円も円安に動きました。

その後、ドル高を食い止めるために1985年にプラザ合意が行われ、そこから大幅に円高ドル安が進み、一気に128円台までいきました。

5年間で226円→249円→128円とほぼ一本調子で為替は動いたわけです。

また、レーガン政権の減税政策で国際的にもドル高になったために、当時の新興国だったブラジル・メキシコ・アルゼンチンなどから資金がアメリカへ流出し、その3か国は急激な自国通貨安に苦しみ結果的に財政破綻を起こしました。

トランプ政権で同じことがどこかの国で起こるのかどうか?・・・今の段階では何とも言えませんが、歴史に学び、海外に学ぶことは大切です。

人は、頭でわかっていても過去の先人と同じことを繰り返してしまうことがあります。

ビジネスの場にいる人は常に世界の動きに注目する姿勢が大切です。

為替について言えば、アメリカ国債の金利上昇をウオッチしながら、「高金利ドル高とそれに伴う双子の赤字(貿易赤字と財政赤字)」の風向きが変化する局面を見逃さないようにすることが大事だと思います。

一気の円安→(そこで米政府の何らかの施策)→一気の円高・・・といった急激な動きに要注意でしょうね。

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