人というのは、何かが起きたときその「直前」に注目するという無意識の思考パターンを持っています。
朝、電車に乗り遅れたときは、直前の出来事=「駅前の赤信号で足止めになったから・・・」が原因だと思ってしまうようなものです。
確かにそうなのですが、よくよく考えると本当はいつもより家を出るのが5分遅かったから・・・さらに言うと、いつもより起きるのが30分遅かったから・・・とも言えます。
もっと言うと、昨日寝たのが深夜遅かったから寝坊した・・・かもしれないし、それは昨日予定外の飲み会が入って調子に乗って終電まで飲んでいたから・・・なのかもしれません。
さらにさらに言うと、それは思いがけず仕事がうまくいったことがあって、いつになく上司に褒められ気分よくしていた自分がいたから・・・だったりします。
朝、電車に乗り遅れたのは「赤信号で時間をとられたから」という直前の出来事に原因を求めるのも正解ですが、別の解釈では浮かれて飲み過ぎてしまった自分の責任とも言えるわけです。
このように、正解は一つだけとは限らずたくさんの正解が存在していることを知っておくことは大切です。
人はイヤな事でも良いことでも直前のことを原因にしがちですが、本当はもっとそれ以前からの「何か」に真の原因が隠れているものです。
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成功した人、うまくいった人を見ると、他人の目からするとすぐ前の(直前の)ことにその原因を見出して「○○だったからあの人はうまくいったのだ・・・」と思い込みがちですが、実はもっと前からのその人のコツコツとした努力、勤勉な姿勢に本当の原因があるものです。
そこを見落としてはいけないですね。
失敗も同じです。原因はもっと前からの行動・考え方に隠されていたりします。
1つの選択がいきなり大きく人生に影響を与えるのではなくて、その選択をすることになった「それ以前の選択」の方がはるかに大きな影響を自分の人生に及ぼしている、と思います。
「それ以前の選択」をきちんとやっている人は、傍目には想像も理解もできないようなことを実は前々から行ってきているのかもしれません。
成功も失敗も偶然の出来事ではなく、必然の出来事です。
人との出逢いもそうでしょうね。
過去に根拠(=いわゆる「それ以前の選択」)が必ず隠されているものです。チャンスをつかむには日々の行動の積み重ねや適切な習慣が必要です。
練習ではダラダラとしていたのに、本番でいきなり高い能力を発揮することなんてできません。
そういう意味では、日々の行動に真剣さ・真摯な心を注力することが大事だと思いますし、それができる人は成功者になれると思います。