木鶏(もっけい)という話があります。
参考:『過去ブログ 木鶏のような人物は少ない』
https://ameblo.jp/superameba/entry-11467801864.html
これと似たような話で、最近こんな話を聞きました。
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ある師範が、ついに黒帯を受け取れることになった弟子の武道家にこう言いました。
「黒帯を授ける前に、最後の試練を言い渡そう。
それは、ある重要な質問にお前が答えられるかどうかだ。
さて、この『黒帯』の本当の意味は何なのか?」
弟子は答えました。
「旅の終わりです。これまでの厳しい修行に対する褒賞です」・・・と。
師範は押し黙っていた。
この答えに満足していない様子だった。
しばらくたって、師範は重い口を開いた。
「まだ黒帯を与えるわけにはいかないようだ。一年後にもう一度来なさい」
一年経って、弟子の武道家は再び師範の前に来ました。
師範は再び問いかけます。
「黒帯の本当の意味は何なのか?」
弟子が答えます。
「武道で卓越した技を持ち、頂上に達したことを示すものです」
弟子は押し黙って、それに続く言葉を待っていた。
でも、師範がこの答えにも満足していない様子は明らかだった。
しばらくたって、師範は口を開いた。
「まだ黒帯を与えるわけにもいかないようだ。一年後に来なさい」
一年後、弟子が師範の前に現れると、師範は案の定同じ質問を繰り返した。
「黒帯の本当の意味は何なのか」
弟子は答えた。
「黒帯は出発点です。常に高い目標を目指して、終わることのなく続く修行と稽古の旅の始まりです」・・・と。
師範は、満面の笑みを浮かべて言いました。
「そうだ。ようやく黒帯に値するようになったようだ。修行はこれから始まると思いなさい」・・・・・・と。
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ビジネスでも経営でも何であっても、どんな優れている人・会社・組織・システムであっても、そこには気づかないだけでまだまだ改善できる余地があるものです。
完全完璧というのは、一瞬そう見えるだけの錯覚であって、本来『完全完璧』という究極の到達点はあり得ないものです。
自分はリーダーだから・・・先輩だから・・・とか、自分が経営者だから・・・といった驕りは真っ先に捨てなければいけません。
そして、いつも謙虚になってまだまだ改善の余地があるハズだ・・・という視点を併せ持つことが大切です。
驕らず、謙虚な姿勢で他者に接する・・・。
これは政治家にも必要なことですし、会社組織のリーダーにも、ひいてはすべてのサラリーマンにも大切な心掛けだと思います。