
インフレ率が上がると(インフレになると)、一般的には「金利が上昇する」と言われます。
たとえば、今現在の銀行の預金金利が1%だとします(実際はその100分の1ですが)。
一方でインフレ率が2%だとします。
これが明らかにわかっているとき、普通の人に「あなたはそれでも銀行に預金しますか?」と尋ねると、多くの人は「ノー」と答えると思います。
なぜなら、銀行にお金を預けていても、お金の価値が目減りしていくことは歴然としているから・・・です。
→ 預金金利が1%なので、100万円を1年1預けると101万円になります。
しかし、インフレ率が2%ということは、世の中に出回っている100万円の商品の価値は1年後には102万円となり、1年後に銀行からお金をおろして買おうとしても買えなくなっています。
でも、今なら100万円でその商品を買えます。
利益・儲けの観点で言えば、今その商品を持っている人は、今100万円で売るよりも、1年間寝かしておいて1年後に売るほうが2万円高く売れます。
あるいは、今その商品を持っていない人でも、今すぐに100万円で買っておいて、1年後に102万円で売れば、「2万円の儲け」になります。
「今の100万円の価値の商品は1年後には102万円の価値になっている」ということが明らかである・・・・・・という前提での話でしたが、未来の物価のことは実は誰にも確約することはできません。
なぜなら、未来は不確定なものだからです。
でも、多分そうなる可能性のほうが高い・・・と判断し、そうならなかったときのリスクを自己責任で背負える人は、予めそうした行動を取ります。
まあ、皆がそんなことを考えて実行し出したら誰も預金をしなくなり、銀行は困ります。
そこで、銀行はインフレ対策を講じて、もしインフレ率が2%であるなら預金金利をそれ以上の3%などに設定します。
時間のズレはありますが、後追いの形で基本的には「インフレ率<銀行預金金利」を維持しようと努めるわけです。
つまり、そうした流れがあって「インフレになると銀行の預金金利が上がる」・・・となり、もちろん預金金利だけではなく「貸出金利」も同様に上がっていきます。
「預金金利<貸出金利」となっていなければ、銀行はおまんまの食い上げです・・・。
あとは、それがイタチごっこのように追いかけ、追いつかれ…の繰り返しになりますが、言えるのはそうした連鎖反応が起きるとき、物価はガンガン上昇していく!・・・ということです。
→ 果てには「バブル」と呼ばれたりします。
ちなみに、「金利」と一言でいいますが、貸出金利のことを「利子」と呼び、預金金利のことを「利息」と呼びます。
インフレと銀行預金の利息の関係を理解し、銀行に預けておくままでよいのか?それとも何かしらの「商品/資産」に換えて保有しておくのが良いのか?・・・を自分の判断で実践することが大切だと思います。