ゴールド免許は運転免許証の更新等をした時点において、過去5年以内に加点対象となる交通違反がない優良運転者に与えられる運転免許証です。
ここでけっこう盲点になりがちなのは「加点対象となる交通違反がない・・・」というところです。逆に言うと、「交通違反をすると加点される」ということです。
一般的に、スピード違反や駐車違反などいわゆる交通違反をすると「減点された…」と言いがちです。
1点減点・・・2点減点・・・と言ったりしますが、これは誤りで、正しくは「加点された」です。
加点され、その合計点数が一定水準に達すると、免許停止や免許取り消しになります。交通違反が何もなければゼロです。
減点方式で物事を考えると、あたかも最初に自分の持ち点があって、違反をするとそこから徐々に点数が引かれていくように思えます。
そして、これは日本の良くない文化の一つだと思うのですが、日本は昔からミスをすると減点されていき、何もミスをしなければ持ち点変わらず・・・という評価がされてきました。
ミスをしない人、減点されない人が優秀であるかのようなとらえ方です。でも、前向きな行動をしてミスをした場合、それは失敗であって失格・落伍ではないのが本来のあるべき姿だと思います。
失敗は次につなげる貴重なステップ・道しるべになりますが、失格・落伍はもう次がありません。その失敗があるからこそ、他の人が同じ過ちをせずに次へ進めることもあります。
減点方式は「事なかれ主義」を生み出し、「やったもん負け文化」を醸成し、「何もしないでやり過ごすのが一番」という悪習を作り上げてしまいます。
「これをやって失敗したらどうしよう…」と思わせ、結局「行動できない人」を作り上げてしまいます。この考え方・文化は良くないと私は思っています。
行動してミスをしたら、確かに減点1点でも構わないのですが、他の人が怖がって何もしなかった行動をとったことに3点を加点することも必要だと思います(=差引2点の加算)。
さらに、もしそこでうまくいけば成功点10点を加算すると良いと思います。また、何も行動しない場合はそれ自体を戒めるという意味で減点2点とするというのも、場合によってはアリだと思います。
運転免許証が加点主義になっているにも関わらず減点主義と錯覚してしまう私たちですが、世の中は減点主義よりも加点主義で生きていくほうが良いと思います。