怒っている人と接する時、「怒っている人に怒り返す」とタダのケンカ/言い合いになります。
互いに大声で自分の意見を主張し合い、しかもどちらも自分が正しいと信じて譲りませんから、泥沼状態になり、人間関係がただただ悪化するだけです。
これを避けるにはただ一つ、「相手が腹を立てて自分にいろいろ言ってきたときに自分もキレて腹を立て返すのだけはやめる」ということが大切です。
自分も他者も腹を立てているときは、「自分は正しくて相手が悪い(間違っている)」と信じて疑わないときです。
「正しい自分のことを認めようとしないお前を許せない」というのが怒りの構造です。
当然です。
自分が間違っていて相手が正しい、と思えれば怒りにはなりません。
ところが、「自分が正しい」というのは一種の自惚れからきていて、時と場合によっては大事な何かが抜け落ちていて、実は「自分は(も)間違っている」ということもよくある話です。
己が正しいと信じこんで凝り固まっている怒りの人に、「そのあなたの思いが本当に正しいかどうか考えてみなさい」と諭しても、それはなかなか難しいです。
怒っている時は、理性的な思考はできていないからです。
「自分は正しくて相手は間違っている」と思い込んでいるので、その間違っている相手が自分を否定する内容の話を聞く耳は持てません。
そして、そんな怒っている相手の態度にこちらもカチンときてしまうのはわかります。
「売り言葉に買い言葉」「逆ギレ」となるのもわかりますが、冒頭に書いたように、怒っている人に怒り返してしまうと互いにドツボに嵌って両者ともに「自分は正しい、相手が間違っている」の応酬となって一向に決着がつきません。
こうなると「正しい者と正しい者のぶつかり合い」となります。
正義と正義のぶつかり合いほど収拾のつかないものはありません。
どちらも聞く耳のない状態で、どんどんエスカレートして収拾が付かない事態になります。
→ そんな事態を避けるにはとにかく相手が腹を立てていたら、こちらは冷静になって「決して腹を立てない」ことです。
相手が怒ったら、こちらは怒らないよう努めることが大事です。
相手が怒っている時には怒り返さない。
これを実践するだけで、人生の相当の悲劇は回避できると思います。