以前、イチローが引退の記者会見で
「プロに入って最初の2年くらいは1軍に行ったり来たりでその頃は結構楽しかった。3年目で急に番付を上げられちゃった感じがして、そこから先はずっとしんどかった」
・・・といったニュアンスにことを言っていて、その言葉に横綱白鵬は「共感した」・・・と言っていました。
白鳳自身もまた「相撲が楽だったのは、大関、横綱を倒そうとやっていた関脇のときまでだった」・・・そうです。
高実力者がその芽を出し始めたころというのは、自身も充実していて楽しいものです。
ところが、ひとたびトップの位置に君臨したなら、そこから先はもう「追う者から追われる者」になりますから、「維持」という二文字が重くのしかかってきます。
ビジネスの世界でも、芸能界でも、どんな世界でも言えることですが、その世界で頭角を現すのは並大抵ではありません。ましてやトップになるのはもっと大変です。
しかしそれ以上に壮絶なのは、そのトップを維持し続けることです。
イチローと白鵬と言えば、もう彼らの記録を破る者は現われないだろうと言われるほどの第一人者です。
その彼らが「(維持するのが)苦しい・・・」と言っていることに、やはりどんな道であってもそれを維持することの険しさを思い知らされるような気がします。
経営者(社長)というのは当然トップに位置するであり、その位置になるまでの努力も大変ですが、むしろその位置についてからのほうが大変だと思います。
その認識を持ったうえで社内での出世競争や重役の椅子を狙うと良いと思います。