国民の三大義務と言われるうちの「教育の義務(憲法26条)」と「勤労の義務(憲法27条)」はその後にくる憲法30条の「納税の義務」のためにあると解釈できます。
すなわち、子どもに教育を受けさせ学力を高めていけば、やがて働き口に困らなくなり就労しやすくなる
→ 就労してお金を稼げば税金をたくさん納めてもらえる・・・という流れです。
一般的に学歴が高くなれば給料もそれに応じて高くなり税金を多く納めてくれることが期待できますから、昔の発想としてはそういう流れだったのかもしれません。
あるいは、職に就いて働く人が増えるほどに失業率が減るので、そうすれば自ずと失業給付も減る・・・という流れもあります。
昔の人はいろんな意味で頭が良かったと思います。
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マクロ経済政策において見るべき指標は一般的に「雇用とGDP」だとも言われます。
最も重要視するのが雇用で、その次がGDPです。
それは、経済の根幹が「お金を稼ぐ環境が存在していること」にあるからで、雇用統計とGDPをみることでそのバランスが計れるからです。
「お金を稼ぐ環境がある」ということはすなわち「職があるかどうか」にかかっていて、昔はこれを「雇用があるかどうか」と読み替えても当たり・・・だったのだと思います。
昨今では「雇用(←会社等の組織に雇われて働く就労形態)」に必ずしも囚われず、各人がそれぞれ個人事業主として働くパターンも増えつつあります。
背景にはインターネットを駆使すれば、マーケットが世界に広がり、その結果従前には無かったスピード感と規模でお金を稼ぐことが可能になってきたことがあります。
いずれにしても「お金を稼げることがある程度担保されている状態」が経済の成立には不可欠です。
コロナショックで休業・出勤停止・自粛など、「お金を稼げることがある程度担保されている状態」が破壊された人も多く出ました。
その結果、人々の働き方への意識改革が進み、コロナショックを機に在宅勤務や転業、転職を決断した人も少なからずいると思います。
お金は人々の生活に必要なものですから、その「お金を稼ぎ出せる環境が存在していること」は重要です。
その重要性に気づき、そうした環境下にある自分は恵まれているということを理解し、感謝する気持ちを持つことも大切だと思います。