IOCのコーツ調整委員長は、以前に「2度目の五輪延期はしない。東京大会の中止も選択肢 」と発言していました。
コロナ禍の中でオリンピック開催に関する意見がさまざま飛び交っています。
ワクチンの普及・効果がまだまだ局所的である以上、ここで無理にオリンピック開催を強行したとしても、来日に必要な飛行機搭乗、トイレや会場までの往復移動時の「3密」を避けられないことは誰が見ても明らかです。
何万人もの観衆が殺到する中で「2メートルの間隔を空けて観戦してください 」というのは非現実的です。
金銭的な先行投資の費用面で言うと、需要がないのに供給だけが多く先行してしまった感が強く、かと言ってここでオリンピック開催が中止となればこれまで投資してきた資金回収の見通しはかなり暗礁に乗り上げそうです。
せっかく造り上げた五輪関連の施設群は一気に不良債権化する恐れが大です。
それが分かっているからこそ、何とか無理をしてでもオリンピック開催を強行したいというのが関係者の意識かもしれませんが、今となってはある程度の負債を抱える事はもはや覚悟したほうが良いと思います。
東京五輪が中止になった場合、東京の地価の下落は免れないでしょうし、場合によってはその速度は速いかもしれません。
これまで五輪を当て込んでホテル開発や民泊開業や商業施設の開発などを行なってきた多くの先行投資が逆回転し始めます。
コロナ禍においてリモートワーク移行が徐々に進みつつあり、都心オフィス需要減退が不可避となりそうな情勢です。
飲食店関係の廃業ニュースも日々枚挙に暇(いとま)がありません。
今の段階でオリンピックの開催を決定づけることはできませんが、すでに多くの国民は諦めつつあるような気がします。
大事なことは「世の中の変化に気づき、変化を受け入れ、自身もまたその変化に即応する」という姿勢にあると思います。