部下が上司(自分)の言うことを聞いてくれない・・・子どもが親(自分)の言うことを聞いてくれない・・・といった経験を持つ人はそれなりに多いと思います。
他人は(たとえ子どもであっても)なかなか自分の思うとおりには動いてくれないものですし、自分だって他者の思うとおりには動いていないハズです。
社会はそうした人たちによって成り立っていて、人と人との複雑なかかわりの中で生きていくのが原則です。
商談等でも相手がこちら側の思うとおりに動いてくれないことはよくあります。
そんなとき、多くの人は「自分を正当化して相手の不当に責があるから相手を変えよう」としがちです。
自分本位の考え方です。
ところが相手も同じように考えているから結局どっちつかずで二進も三進も(にっちもさっちも)いかなくなったりします。
解決の選択肢は2つです。
「相手に変わってもらう」か「自分が変わる」かです。
後者の「自分が変わる」を優先的に選ぶほうが解決しやすいと言えます。
物事の諸問題がいつまでも解決しない人というのは、「相手に変わってもらう」ことばかりを求めます。
「あいつはどうしたら言うことを聞くのだろう/あいつをどう変えたらいいだろうか」と、相手に原因を求めて相手を解決させようとします。
相手を解決するのではなく、自分を解決することを選ぶと早く決着します。
なぜあいつは変わってくれないのか!・・・と嘆いていてもそもそも相手を変えようという姿勢自体に無理があります。
他人がいつも自分の思うとおりに動いてくれるハズがありません。
相手を変えようとしても、努力した挙句にやっぱり変わってくれない・・・ということはよくある話です。
また、その一方で面白いことに、「この人言うことだったら喜んで何でも聞く(従う)」という人もいます。
誰の手にも追えないような不良学生であっても、なぜかある一人の先生の言うことだけは聞く・・・といった感じです。
そうした人は、おそらく相手を変えようとするのではなく、自分をどう変えるかを考え実践しているからだと思います。
その積み重ねが一種の信用と信頼を生んでいるのだと思います。
自分を変えることから始めてみる姿勢は大切です。
そうすれば、相手も「だったら自分も・・・」と変化してくれるかもしれません。
相手を変えようとしても変わらないのに、相手を変えずに自分を変えようとすると不思議と相手は変わっていく・・・という現象が起きたりします。
北風と太陽の話みたいなものです。
返報性の原則が働くのかもしれません。
変わらない人に心を開いてくれないのが人間の特性の一つです。
相手が変わらないのは自分が変わっていないから・・・と気づくと、そこから両者の関係は良好化していきます。
人を変えようと思ったらまず自分から変える・・・、つまり相手に変化してもらう ≦ 自分をどう変えるか を考えるようにすると良いと思います。