物事には、「何かをしていることが今すぐ役立つことはないけど、ゆくゆくはそれのおかげで役に立つ・・・」ということがあるものです。
子どものころにピアノを習っていたことが大学生になって異性と付き合うときに役に立った・・・とか、昔から読書が好きだったことが大人になって漢字検定を受けるときに役立った・・・などです。
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社会人になって「お金を貯める(=貯金)」をすることもその時点では特に何も有効ではありませんが、もし、将来自分が独立・起業して融資を受けたいとなったら、その貯金の習慣は役に立ちます(特に積立貯金)。
貯金がまったく無い状態で銀行に行って「新しくビジネスを起業したいので融資をお願いします」と言っても、ほぼその願いはかないません。
貯金がまったく無い人のことを銀行は相手にしてくれないからです。
銀行(金融機関)は「お金を貸して利息と元本を回収する」ことを業としていて、その利息分が主な収益の柱となっています。
そんな銀行としては「利息と貸し付けた元金をキチンと回収できるか?」という問いかけに高確率で「イエス」と言えるような相手にしかお金を貸してくれません。
当たり前のことです。
返してもらえなさそうな人にお金を貸して、その結果、やはり返してもらえなかったら銀行は大損害を被ります。
貯金がまったく無い=家計において給与所得による収入より生活費・その他の支出が超えてしまう人・・・の言うことを銀行は信じてくれません。
「高確率で返してもらえそう」を判断するための基準の一つは、その人の現在での貯金額です。
貯金が(たくさん)ある・・・ということは、その人の毎月の生活が家計的に黒字で安定していることを意味します。
特に積立貯金をして貯めたお金であれば、それは「収入より支出のほうが少ない家計である」ことを証明していて、お金を貸しても高確率で返済してくれると判断できます。
貯金がない・・・家計が赤字・・・というのは、ビジネス起業の前に生活設計が破綻しているとみなされ、銀行から融資を受けることはほぼ無理です。
社会人として収入(給料)を得ながら、毎月その収入の範囲内の出費に抑える生活をして適度にお金を貯めていくことが、将来の銀行融資につながる証左となり得ます。
それほど難易度の高いことではないことですが、継続して証拠(跡)を残すことが大事です。
何がどう転んでどんなことにつながるかは最初の時点では誰にもわからないことですが、言えるのは真面目に、正当に、恥ずかしくない行為・習慣であれば、いつかそれがきっと役に立つと信じて継続すると良い・・・ということです。
貯金にはさまざまな良い点がありますが、自分の社会的存在価値を高めるという意味において、わずかな額でも良いので積立貯金をしていくと良いと思います。