アメリカの古い諺に「三代でシャツ1枚からシャツ1枚へ」というのがあるそうです。
1代目がシャツ1枚からそれこそ裸一貫で仕事を頑張ってひと財産を築き上げても、やがて三代目になるころにはその財産が食いつぶされていて再びシャツ1枚になっている・・・という意味です。
何とも皮肉な話ですが、あながちあり得ない事ではないと思います。
一代目は貧しくてハングリー精神旺盛で奮起します。
でも、2代目に「お金の教養」がなければその財産をどう維持・発展させて良いかわからず、知らず放漫経営になってお金を使い果たしていきます。
一代目は誠実に働くことに関しては立派であっても、忙しく働いていたがゆえに子どもに対する金銭教育を施す余裕がありません。
2代目が金銭面でうまく育たないのも致し方ない面があります。
人は、自分が汗水垂らして稼いだお金は大切に扱いますが、最初からお金が目の前にあって、自分があくせく働かなくても自由にできるお金があるとしたらどんどん怠惰になっていきがちです。
そうならないためにも、子どもに美田を残すことを良しとせず、かわいい子どもだからこそある程度の苦労を早い段階で経験させ、地道に歩むことの大切さをわからせてあげることも親の務めだと思います。
ある程度の社会経験を積ませたうえであれば「美田」を残す価値もあると思います。
まあ、親というのは「自分と同じ苦労を子どもに味あわせたくない・・・」と思うものですが、甘やかしすぎるとかえって子どもの人生をぶち壊しにしてしまいますから、その加減が大事ですね。