
消費税は、何かを購入したときに商品価格と付随して一緒に支払いますから「支払い忘れ」という概念が基本的にはありません。
でも、世の中には「支払い忘れ」となっている税金が多々存在していて、そういう税金は結局忘れたころに支払い通知がやってくるのです。
たとえば、昨年の年収が1億円だったの人が、今年の年収は1000万円になったとします(ちょっと極端ですが)。
今年に支払い請求がくる住民税は昨年の年収を元に計算されていますから、1億円を元に計算された住民税の請求が来ます。
年収1000万円の年に、遅れて年収1億円の税金がやってくるわけです。
たとえば、不動産を購入した場合は不動産取得税という税金が1度だけかかります。
ところが、その支払い通知書が送られてくるのは、購入し、登記手続きが完了し、そこから数えて6カ月後以降です。
車の重量税だと購入時に合わせて支払いますが、不動産の場合は半年以上も遅れて通知が来るわけで、多くの人は忘れたころにその書面を手にします。
不動産と言えば固定資産税も同様です。
固定資産税は「毎年1月1日時点での所有者」に課税義務がありますが、その納税通知が送られてくるのは5~6か月も後になってからです。
既に売却をして自分のものではなくなっていたとしても、納税義務は自分にあります。
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税金の支払いは後から急に訪れる……ということを認識しておくことは大切です。
この原則を理解しておけば、対処の仕方も工夫できます。
あらかじめ、そのことを踏まえた行動をとれば良いだけです。
つまり、現在の収入から予めその数ヶ月後~を見越して「振り分け貯金」をすることです。
6ヶ月後に12万円の納税義務が発生しそうなら、毎月2万円ずつ貯金をして6か月後に備えておけばいいだけです。
そのためには、今の収入から▲2万円として、封筒に取り分けるなど別のところに2万円を別途保管しておくことが必要です。
これは「先々を読む訓練」に役立ちます。
未来を見て、現在の行動に落とし込む……という発想を身に付けるチャンスです。
早い人は、社会人になりたての頃からそうした訓練を行い、それがビジネスや仕事の場でも有効に働き、スキルアップや収入アップにつながっています。
ところが、何も訓練していない人はいつまで経っても「目先のこと」しか見ることができず、長期視点に立った行動がとれずにいます。
税金は忘れたころにやってくる……
という事象が教えてくれているのは、世の中は「目先だけしか見ていないとやがて困ることになる=長期目線で物事を見て、そのうえで現在為すべきことをすることが大事」ということなのかもしれないですね。