昨日の「マーチンゲールの法則」にもちょっと通じる話ですが、こんな逸話があります。
安土桃山時代、豊臣秀吉のお話相手の一人に曽呂利新左衛門(そろりしんざえもん)という刀の鞘(さや)師がいました。
彼の作った鞘は刀をソロリと包み込みピタリと合うので、「曽呂利」という異名で呼ばれるようになったそうですが、もう一つ、彼は非常に頭の良い人物でした。
あるとき、秀吉から「褒美に何が欲しいか?」と聞かれてこう答えたそうです。
1日目に米粒を1粒。
2日目にはその倍の2粒。
3日目にはその倍の4粒、
4日目にはその倍の8粒、
・・・それを30日間頂きとう存じます
と。
秀吉は、米粒が何粒であってもたいしたことはないと思い、「なんだ、その程度でいいのか」と快諾します。
ところが・・・・・・。
実は、この「倍々返し/倍々ゲーム」は途中からとんでもないことになっていきます!
→10日目 512粒
→20日目 524,288粒
→30日目 536,870,912粒
米粒で5億3,600万粒と言われてもピンときませんが、1日目から30日目まで合計していくと米俵にしたら450俵=石高にして180石になるそうです。
当時人が一年間で食べるお米は約1俵だったそうなので、上記米粒は約450年分のお米分です!(このお話は結局秀吉が別の褒美に変えてもらう・・・という流れになります)
現代風に難しく言うと「等比数列/指数関数」の話ですが、こうした「倍々計算」というのは複利計算と同じでスゴイ結末を秘めています。
チリも積もれば山となる・・・とも言えます。
間違っても、親は自分の子どものお小遣いをこれと同じように「1円からスタートして、毎日、前日の2倍のお小遣いを与える」・・・というやり方をしてはいけないですね(どこかで破産します!)。
倍々計算(=利回り100%)の物事はとてもリスクが大きい話なので、お金を借りることはもちろんしてはいけないし、そんな投資話に騙されることもないように気をつけることが大事だと思います。