政府が「貯蓄から投資へ」と言ってから、もう10年以上が経ったと思います。それでもなかなか多くの人のマインドはそのようにはなっていない気がします。
特に年配者になればなるほどその傾向は強いと思います。つまり、貯蓄から貯蓄のマインドのまま・・・ということです。
今や多くの銀行の普通預金金利は0.001%です。
100万円を1年預けても、税金が引かれて利息はわずか7円程度です。
10万円未満の預金だと明らかに利息はゼロ円です。
また、自宅のタンスにしまっておいても、利息はもちろんつきません(0円)。
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元来「貯める」にはそのモノを蓄えておく機能があるだけで、そこから新たな付加価値を生じさせるという機能はありません。
だから「貯める」と「増やす」を並列で比較することにはあまり意味がありません。
「貯める」と比較して良いのは他の「貯める方法」であり、「増やす」と比較して良いのは他の「増やす方法」です。
どんなことでも「同じ土俵で比べる」ことにしか意味はなく、スタート地点が「違う土俵」であれば「比べる」こと自体がナンセンスで、そこには必ずどちらかに大きな優位性が働くのは当然です。
「貯蓄」はもともと「お金が増えない」ことが前提で、「投資」はもともと「お金を増やす」ことが前提だということです。
だから、「貯蓄」だとお金が増えないという当たり前の不安感を利用して、貯蓄より投資のほうが格段に優れている・・・と思わせるようなイメージ戦略に惑わされるのはあまりうまくないと思います。
そうした比較ではなく、元々お金の流れを「稼ぐ→貯める→増やす→使う」というステップアップの方程式があることを踏まえて、「貯める」の段階から自分がいよいよ「増やす」の段階に上がったと認識するのが良いと思います。