営業では「対応話法」という概念を大切にすることが必要で、これができていないとなかなか売上を伸ばすことはできません。
対応話法と言うのは、お客さまからネガティブな質問があったときに、きっちりそれに答えてお客さまを安心させて購買につなげる・・・というやり方です。
たとえば「でも、壊れやすいんじゃない?」
→ 「3年間の保証期間がついています」とか、
「ちょっとお高いわね~?!」
→ 「これだけの品質でこの値段はむしろ安すぎると言われているくらいです」とか、
「妻と相談してみないと・・・」
→ 「売切れになるかもしれませんので、仮予約を入れておきましょうか?」
・・・などといった類です。
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対応話法は、お客さまが発してきた言葉に対して解決策/答えを返す話法ですが、お客さまの中には心では思っていても言葉に発してくれないお客さまもいます。
そういうお客さまのほうがむしろ多いくらいです。
したがって、そこで大事になるのは予めお客さまが疑問に思うであろう事柄をピックアップして、こちらから先にそれを言ってあげる・・・ということです。
これが「予備対応話法」テクニックです。
お客さまがなかなか口にしない疑問・不安の一つに「競合他社との比較」があります。
「他のお店/商品のほうがもっと良いんじゃないの~」という気持ちをストレートに言える人は少ないものです。
そこで前もって「他社がアピールしそうなことを伝えて、その後に自分たちにしかできないことを付け加える」と良いと思います。
つまり、他社が言いそうなことを先にこちらから言って、かつそれに対する反論を用意しておくわけです。
そして、自分たちにしかできないことをそこでアピールして差別化を図ります。
たとえばレストランで言えばこんな感じです。
「他のお店では『肉汁たっぷりでジューシーなハンバーグです。今ならさらにチーズインも用意できます』・・・ときっと言うでしょう。でも、『冷凍で添加物たっぷりのハンバーグをレンジでチンして解凍してから焼いている』とは言いません。
当店ではハンバーグを毎日手でこねて防腐剤も添加物も一切入れずに作っています」
・・・などと伝えるわけです。
ここでのポイントは、他社(他店)が強くアピールしていることを先に話し、それをいったん認めたうえで、その実状/裏側を伝えてあげることです。
(言い方は慎重にしないと余計なトラブルになる恐れがあるので要注意です)
お客さまは業界の裏側を教えてくれたことに感謝し、好意を持って、こちらを選択してくれやすくなります。
対応話法と、予備対応話法を営業に従事する人は用意しておき、それらをマニュアル化して全員が暗記することが大事ですね。