社内で営業部門に所属していて毎月売上がそれなりに多い人は「あの人は営業に向いている」と言われ、逆に数字がパッとしない人は「あの人は営業に向いていない」・・・と言われたりします。
これは単なる表面的な捉え方になります。
これだと「営業に向いている人はどんな条件を備えている人なのか/営業に向いていない人はどんな条件が欠けているか」がはっきりしません。
営業数字がパッとしない人を「営業に向いていない」とバッサリ切り捨てて別部門に異動させたり退職を勧告したりするのは簡単ですが、そうする前に「研修教育を施して営業数字が上がるように育てる」という過程が必要です。
売上が少ない担当者に「君はなぜ売上が少ないのか」とか、「なぜ売上目標を達成できないんだ」と詰問しても、聞かれた本人だって答えを知りません(サボって何もしていないというときを除いて)。
自分の責任を少しでも回避したくなるのが人間という生き物ですから、そうすると数字がパッとしない担当者は、「商品の品揃えが悪い/担当地域が悪い/商品価格が高すぎる/競争相手が安売り攻勢をしかけている/客層が合わない」・・・など、とにかく他者責任の言い訳をして取り繕おうとします。
こうした外部要因は一因かもしれないけど、でも、外部要因である以上こちら側で解決できる範囲は狭く、事態が好転する余地はほとんどありません。
販売会議のときに解決策を出すことはできません。
リーダーは、本人の意欲・やる気任せにして本人が自ら殻を破って成長してくれることを期待しますが、そんな期待だけでは翌月も同じことが繰り返されるのは自明の理です。
やはり、教育・訓練・研修を施して成長する機会を強制的に与えることが重要です。
それが営業リーダーの務めの一つです。
売上に対する表面的な捉え方だけで経営をしていると会社の運営状態は徐々に劣化していきます。
営業マニュアル・・・とか、営業の手引きといったものが存在しているなら、それを確実に忠実に守って実践したときに結果がどうなるのか?を的確に見定め、場合によって時流に合っていないなら廃止・改良をすべきです。
また、営業成績の良い社員の秘訣を共有するなどして、部門の底上げを計ることが大事です。
いずれにしても、営業成績の低い社員をその社員本人だけの責任にして放置するのではなく、そうしたことの責任も含めてすべては部門のリーダーに責任があると認識して対処することが会社の発展につながると思います。