今から30年近くも前のある営業マンの話です。
彼はこんなことを言っていました。
「自分は株の売買をお客さまにおススメする営業活動をしているので、株に関しては人一倍勉強しています。お客さまより自分のほうが商品知識があって、詳しいと自負していました。
ところが、あるとき私のところに飛び込み営業マンがやってきて一生懸命私に営業をかけてくる姿を見てハッ! と気づきました。 その営業マンは確かにその商品について私よりも知っていて詳しかったです。
でも、いかにその商品がすばらしいかを雄弁に語っている姿を見てイヤな感じがしたんです。
自分の営業成績のことしか考えていないな・・・と。そしてこうも思いました。
これって、今の自分の姿と同じじゃないのか!? って。この営業マンのように自分はお客さまに商品を押し付けよう、売りつけようとしていたんじゃないか?!
自分にはそんなつもりがなくても、相手はそう思っているかもしれない・・・。
自分は何でも知っているつもりだったけど、一番肝心なお客さまのこと、相手のことを何も知らなかったのかもしれない・・・。
あーなんて俺ってバカだったんだろう!」
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自分はバカだ! ・・・と気づけると、次に気づけるのは自分がバカで知らないことがあるのだからそれを知っている人に教えてもらおう!ということです。
相手のこと=お客さまのことを知りたければ一番良いのは相手(お客さま)に直接尋ねることです。
教えてください・・・と。
ところが、そのお客様自身もまた口に表して言えるほど自分の本当のニーズ・ウオンツを理解されていないこともあります。
そこで大事なのが「相手の立場になって考える」ということです。
営業を始めとしてすべてのサービス業ではこの「相手の立場になって考える、発想する」ということはとても重要です。
ちなみに、冒頭のある営業マンとは私のことです。 この発想ができるようになってから、私の営業成績は格段と上がるようになりました。