
一昨年くらいから、私は定期的に歯医者に通っています。別に虫歯があるわけでも何でもなく、いたって正常です。
それなのに定期的に通っているのは・・・
→ 予防歯科を心がけてのことです。
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かつて、「歯医者に通う」はイコール「虫歯の治療」が常識でした。
まあ、その他にも歯周病や矯正などいくつかありますが、共通しているのは「治療」だということです。
ところが、ある時期から「それ以外の目的」で歯医者へ通う人が増えてきました。
それが「予防歯科」の概念です。
虫歯・歯周病・歯の矯正などで歯医者へ通う人の数は、日本の人口の1~2割程度に過ぎない・・・と言われます。
つまり、従来の歯医者さんの顧客ターゲットはそのくらいの数の需要だったわけです。
ところが、人々の意識を変えて「歯医者へは困ってから行くのではなく、困る前に予防の段階でいくものだ」・・・とできれば、人口の残りの8~9割がターゲット層となります。
どちらのマーケットのほうがビジネスとして成立しやすいか?・・・と言えば後者であることは歴然です。
これが「顧客の創造」です。
ピーター・ドラッカーは「ビジネスの目的は顧客の創造にある」と言いましたが、どんなビジネスであれ顧客がいなければビジネスは成り立ちませんし、顧客がいるマーケットを探すよりも自ら作り出すほうが刺激的です。
必要なのは「発想力・想像力・推測力」です。
まあ、私もそんなビジネス手法にまんまと乗せられて歯医者へ定期的に通うことになったのですが、背景にはやはり「不安感」が隠れています。
「80歳になっ ても20本以上自分の歯を保とう」という「8020運動」がありますが、歯はやはり健康でなければ困ります。
今すぐに困っている/悩んでいるわけではないけども、将来的にそうなる恐れがあることを善意で上手に相手へ伝えて、そうした不安感を解消して安心感に変えてあげるビジネスモデル・・・は強いと思います。
視点をズラして大きな視野で物事を見ないとなかなかこうした新ビジネスに気づけることは少ないかもしれませんが、逆に言うとだからこそ大いなるビジネスチャンスを手にすることが可能なのだと思います。
ビジネスリーダーはいつもこうしたことを意識して、「顧客の創造」を図る姿勢が大事だと思います。