
自社商品を購入してお金を支払ってくれる人はどんな会社にとっても「お客さま」ですが、あえて区別をすると、こう考えられます。
クレームがないお客さま・・・「優顧客」。
利益額が大きい支払いをしてくれるお客さま・・・「良顧客」。
その両方を兼ね備えているお客さま・・・「優良顧客」。
クレームがないということは利益率が高いことを意味し、支払額が多いということは利益幅(額)が大きいことを意味します。
したがって「優良顧客」というのは、利益率が高く、かつ利益額が多いお客さまのことになります。
お客さまを差別してはいけないのですが、ある程度の区別をすることは経営において重要なことだと思います。
大事なのは、そうした顧客の峻別の仕方を普段から会社内で適切に行なっておくことです。
そして、自社の優良顧客に該当するお客さまに特別な対応を普段から行なうように仕組化することです。
ここで言う特別な対応というのは、感情的コストが高くなるようにコンタクト(=接触)を定期的にとったり、お客さまの自己重要感をくすぐって優越感を味あわせてあげる・・・などです。
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どんなに売上(取引高)が大きいお客さまであっても、いつもいつも値切られてばかりでその実は利益すれすれのところで販売をしているとしたら、そのお客さまは優顧客であっても良顧客とは言えません。
売上額が大きいからと言って、優良顧客として扱うと後に痛い目に遭うかもしれません。
営業マンを評価するときに、その営業マンの売上数字だけで評価してはいけない・・・とよく言われるのは企業にとっては「利益」のほうが売上よりも大事だからです。
陰で営業マンが値引きをして採算割れで販売していたら、どんなに売上数字が多くでも評価は低くしなければいけません。
リーダーが「売上数字だけ」で営業マンを評価したら、営業マンは利益度外視でただ「売る事だけ(利益無視)」に走ろうとします。
その結果、売れば売るほど赤字幅が大きくなる・・・となってはナンセンスです。
企業活動では顧客の創造が大切であり、そのためには新規客とリピート客の両方を求める姿勢が必要ですが、「優良顧客」をたくさん増やすことを考えておくことも重要だと思います。