たとえば優秀な5人の営業社員が1年間で5千万円の売上高を上げているとします(5人合計で2億5千万円)。
一方で、それほど優秀でない5人の営業社員の1年間の売上高を1千万円とします(5人合計で5千万円)。
営業社員がその10人だけなら、この場合、会社の年間売上高は3億円です。
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年間売上高3億円の会社が年間5億円の売上高目標を掲げると、多くの人は「ちょっと無謀じゃないの?!」と言うかもしれません。
3億円→5億円とは66%増しであり、確かに一見するとかな高いハードルのように思えます。
一般的には、年間売上高を10%増しにするだけでも社員たちはイヤな顔をします。仕事量が増え、キツイ仕事になりそうな気がするからです。
それを66%もアップさせるなんて!・・・と驚く社員は多いと思います。
ところが、上記の例のような会社であったなら、適切な考え方をして、適切にそれを実行すれば、年間売上高5億円を実現することができます。
理由は簡単です。
年間5千万円を売り上げている社員が5人もいるわけですから、その営業手法を全員で共有し、営業マンの底上げをしていけば良いだけです。
年間1千万円の売上高の営業社員5人は、営業技術に未熟な点が多く、これから改善の余地が大いにあります。
本人のやる気だけの違いではなく、やり方の違いが必ずそこにあります。
1千万円売上高の社員は、5千万円売上高の社員がどんな営業手法を使って数字を上げているのかを本当は知りたいハズです。
知って、自分にもできることならマネをしてみたいと思っていると思います。
しかし、ほとんどの会社では、そうした社員間のテクニック・ノウハウの共有を行なっていません。
なぜなら、研修教育制度を確立させていないため、各人任せ、属人的な手法を放置しているからです。
営業実績が低いことを叱責されることがあったとしても、どうすれば高い実績を上げられるか?・・・ということを具体的に勉強させたり、学ばせたりする機会を設けていないのが実状かもしれません。
だから、それをやったら会社の業績はすべからく伸びます。
営業成績が上がっていない社員に、営業成績が上がっている社員が丁寧に教えてあげればいいだけ・・・です。
どんな知識・技術が必要なのか、どんな考え方で仕事をしたら良いのか、どういう対応話法で対処すれば良いのか等をまとめ上げ、それを一種のマニュアルのような知的財として保存し、社員間で共有していくことが大切です。
営業実績の高い社員は、低い社員に比べて長く残業しているわけでもなく、たくさんの業務をしているわけでもないと思います。
実績を上げている業務は限定的でしょうから、それを教えてあげれば確実に社員の底上げが図れます。
成績の低かった社員たちは嬉しそうな顔をして「これが知りたかった」と思うはずです。
相乗効果が働いて、売上高が低かった社員も5千万円近くの数字を上げられるようになり、もともと実績を出していた社員も他の社員の知識・ノウハウを吸収することで6千万円~の実績を挙げられるようになっていくと、全体で売上高5億円というのもまんざら無くはない数字になっていきます。
机上の空論的な感もありますが、方向性としては間違っていないと思います。
大事なのは「研修教育」をすることで「社員を成長させる」ことであり、それが会社の成長に寄与することは当然の結末だと思います。