上場企業では、事業年度ごとに必ず決算短信を提出して広く投資家の人の目に触れるようにすることが義務付けられています。
また、決算短信とは別に「事業報告書」なるものを発行している会社がほとんどです。
私も現役時代は、当然にこの決算短信や事業報告書の作成、文章の執筆、校正チェックなども行なっていました。
そうしたとき、会社の業績が予想以上に伸びているときは、文章も書きやすく筆も走りますが、業績が計画より低かった/不振だった時は株主への謝罪等もあってなかなか文章を書くのには時間がかかったものです。
まあ、決算短信よりも事業報告書のほうが堅苦しくなくてどちらかと言えば書きやすかったですね。
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アメリカで調査されたあるデータによると、こうした事業報告書の中に書かれている文章・・・特に業績が不振だった時の経営者の考え方やコメントを読めばその会社の「その後」を予測しやすい!・・・そうです。
どういうことか?
たとえば「当社を取り巻く社会環境が想定外に悪化したため・・・」「為替が急激に円高(円安)に振れたため・・・」「導入したコンピュータシステムに欠陥があると指摘されたため・・・」など、「会社の外」に不振の原因を求めているコメントだと、その会社の将来はない!ということです。
反対に「我が社の業績が下がったのは偏に社長である私の経営判断が甘かったからであり・・・」とか「システムを管理する人的資源を確保できなかった経営陣に責任があり・・・」と、「会社の内」に不振の原因を認めている会社はその後も有望(伸びる可能性大)!ということです。
その調査によると、実際そのとおりの業績になっていったそうです。
ある意味では当たり前のことですが、けっこう見逃されがちだと思います。
非があるのは自分のせいじゃない、外部環境が悪いのだ・・・と逃げる経営者はアウト!です。
自分たちの責任だ・・・と素直に力量不足を認め、そのうえで改善しようとする意欲を持った経営者のほうが会社を立て直し、成長発展させられるのは当然だと思います。
そして、これは会社経営だけでなく、個人に置き換えて考えても、まったくもって同様のことが言える・・・という点が最も重要なことだと思います。