どこか具合が悪くなって病院に駆けつけたとき、医者がまず行なうことは「診察」です。診察をせず、いきなり注射を打ったり、手術をしたりすることはありません。
なぜなら、診察をして「苦しみの原因」を見つけることが重要だからであり、原因を取り除かない限り病が治ることはないからです。
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仏教でこんな話があります。
お釈迦様の弟子がお釈迦様に「自分は日々悩みを抱えていてそれが苦しいので助けてほしい」と懇願したところ、お釈迦様は「よろしい、ではすぐに助けてあげるから、今すぐ、私の目の前にその『悩み・苦しみ』とやらを出してほしい」・・・と諭す逸話です。
弟子は、その「悩み・苦しみ」をお釈迦様の前に出すことができません(物体ではないのですから当然です)。
お釈迦様は「出すことができないのなら、もともとそんなものは存在していないのと同じで、自分で勝手に妄想に苦しめられていただけだ・・・」と諭すわけです。
訓話として聞く分には良い話だと思います。
言えるのは「苦しいと思うなら、その原因をまずは明らかにすべきだ」ということです。
たとえば、幸せになれなくて苦しんでいるなら、「幸せになれない/させてくれない原因は何か?」を正しく知ることが大事です。
人生を苦に染める元凶を正しく見極めて、それを取り除けば良いことになります。
問題解決/悩みの解消……などでは、「原因を見つけ、分析し、消し去る」ことが必須で、それさえ行なうことができれば何も恐れることはありません。
苦悩の根本にある「因」を究明することはプライベートでもビジネスでもとても重要なことだと思います。