「ふるさと納税」は前々からありましたが、テレビでこれほど宣伝されるのはつい最近になってからのような気がします。
「ふるさと納税」といっても、別に自分の故郷(ふるさと)にしか納められないわけではないし、そもそも「納税」と言っても要は「寄附」であって税金ではありません。
そういう意味では「ふるさと納税」という言葉自体に私は疑問を持っているのですが、これって内閣府の「避難準備情報」と似ていると思います。
「避難準備情報」と聞けば、まだ準備の段階(レベル)だと思うのが一般的な人だと思います。
これを聞いて「避難開始することを意味している」とは誰も思わないと思います。
昨年、政府はようやくこの表現を改めましたが、それでも「避難準備・高齢者等避難開始」・・・ですから、長くてまだまだ役所言葉のような気がします。
話は戻りますが、「ふるさと納税」も結局は役所言葉だと思っています。
「返礼品付き自治体寄付(略して『返礼付き寄付』」のほうが、よっぽど誰にでもわかりやすくて実践しやすいと思います。
そんな「ふるさと納税」ですが、これって結局何が狙いなのか?というと、「地方自治体に民間から(←国からではないことがポイント)お金をできるだけ多くかき集めること」です。
したがって、ターゲットとなるのは必然的に「お金をたくさん持っている人=お金持ち」となります(お金持ちでなくてもできるようにふるさと納税に金額の下限設定はありません)。
税金というのは、(当然ですが)お金持ちの人のほうが納めている金額は多いわけで、そういう人たちをターゲットにするのならそういう人たちが「やってみよう」と思えるように導くメリットを用意しておくことが大事です。
そういう人たちが優先的に何らかの見返りを受けられるような仕組みにすれば、もっとお金を集めることができると思います。
ただし、本来の「寄附」の趣旨とちょっと逸脱するところがありますが・・・。
まあ、言えるのは少なくともお金持ちを目の敵にして「お金持ちを排除するような仕組みにしてはいけない」・・・ということです(←これって結構重要だと思いますが、逆行することを推奨している人も多いような気がします)。
物事には「本質」があって本質を蔑ろにすると、大事なことが抜け落ちていきます。
「エビでタイを釣る」かのように「返礼品でお金持ちを釣る」ことはテクニックとして有効です。
大事なのはその返礼品の内訳をどのように工夫して惹かれる内容にしていくか?!・・・だと思います。