学校で、クラス対抗で「女子生徒の宿題提出率」コンテストをしたとします。
ところが、あるクラスの女子生徒の宿題提出率が悪いため、「提出率を上げるため」にそのクラスだけは男子もカウントして良いことに変更しました・・・。
ちょっとズルな話で、別のクラスからは文句も出そうですが、よくよく考えるとこれは非論理的な話です。
クラスの宿題の「提出数」を競っているコンテストなら論理性があって、このクラスは有利になります。
ところが、これは「提出率」を競っているコンテストです。
「女子だけ→女子+男子」と分母を大きくしても率が上がる保証はありません。
男子の数を加えたら提出率が上がるという根拠、論理性がどこにもありません。
逆に下がるかもしれませんね。
だから、上記の設定変更・表現はおかしいというわけです。
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選挙権が従来の20歳から18歳に引き下げられたときに、同じようなことが起きていました。
法律を変えて18歳以下にした背景には「若年層の投票率の低下がある」・・・と報道されていましたが、若年層のすそ野を広げて分母を増やしたらその「若年層の投票率」が上がるという保証はどこにもありません。
投票数が上がる!・・・というのならわかります。
細かい話ですが、論理性に欠ける話であることにビジネス社会で働く人だったら気づくことが大事だと思います。
会社でも、顧客層の分布を調べたりして、例えば20代女性の購入率が低いという調査結果が出たときに、もっと20代女性の購入数を上げよう・・・と手を打つのはわかりますが、女性の購入率を上げよう!と言ってキャンペーン対象を10代に広げる・・・などというのではズレが生じています。
本来目的があって手段である行動があるのですが、その目的から外れた行動をしていたら、いつまで経っても目的は実現されません。
今の行動が目的に沿ったものであるかどうかを確認する(=チェックする)ことは大事です。
数と率のどちらを求めるのか?
数を改善するのか、それとも率を改善するのか?
よく間違えやすいところだと思います。
基本的には「数」を求めることを前提にビジネス展開をするほうがベターだと思います。