複利での運用ではなく、単利運用という前提で次のような質問があるとしたら、どう答えますか?
【質問1】
あなたが株を買うとしたら、次のA・Bのどちらを買いますか?
A: 3ヶ月で3%の上昇が見込める株式
B: 3年間で40%の上昇が見込める株式
【質問2】
株式の購入を考えている人に、あなたならどちらを買うように勧めますか?
A: 3ヶ月で3%の上昇が見込める株式
B: 3年間で40%の上昇が見込める株式
Aの株式は、3ヶ月で3%の上昇ですから、1年で12%、3年で36%の上昇となります。
そう考えると、Bのほうは3年で40%なのでBが有利と言えます。
理屈では「B」のほうに分があるということです。
理論的に考えず、直感的にAのほうがいい・・・とする人もいると思います。
そういう人は「1年後にどうなっているかわからないし、まして3年後なんてますますどうなっているかわからないのだから、少しでも早く利益を得られるAのほうが好き/良い・・・という発想をする人です。
短期目線で物事を考えるクセの付いている人で、この場合Bの3ヶ月で得られる利益のほうがメリットがあると何となく感じてしまうのだと思います。
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面白いのは、【質問1】では何となく直感的にAを選んだ人であっても、他者に勧める・・・となると、冷静に理屈で考えて「B」のほうを勧める人が増える・・・というデータがあるということです。
【質問1】でAと答えたにもかかわらず、【質問2】ではBと答える人というのは、主観的時間の感覚と客観的時間の感覚が別々の人なのだと思います。
自分の事となると時間的余裕がなくなり、主観的に短期目線になります。
ところが他人の事だと思うと、迷惑をかけてはいけないと冷静になって)時間をかけて考慮するようになり、その結果、長期目線で判断することができるのかもしれません。
人は合理的な動物のようで、じつは非合理的な動物である・・・とよく言われますが、まさに人はなかなか理屈通りには動かない不思議なところがあります。
いずれにしても、自分はこうしたことを判断基準にこのように行動する・・・といった自分なりの行動哲学を持つことが大切だと思います。